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Monday, March 23, 2020

現在、大注目「電子マスク」との呼び名もある小型イオン発生機は使えるのか? - GetNavi web

新型コロナウイルス蔓延にともなって、マスク不足は依然収束しない状況ですが、そのような中で改めて注目されているアイテムが「電子マスク」と呼ばれることもある小型イオン発生機。首からぶら下げる携帯型、カード型、車内設置型など、様々なタイプのアイテムがあります。いずれもイオンを発生させることで、花粉やPM2.5対策として使えます。

小型イオン発生機は、よく聞くマイナスイオンを発生させるのですが、何がどう変わるのかは門外漢には分かりづらいものです。そこで今回は、小型イオン発生機「ピュアサプライ」を製造販売する「大作商事」のゼネラルマネージャー・渡辺英信さんに、解説していただきました。

売り切れ続出の電子マスク市場

ーーマスク不足が叫ばれている中ですが、小型イオン発生機の市場はどうなっているのでしょうか。

渡辺英信さん(以下、渡辺) 他社の状況は分かりませんが、ご存知の通り、新型コロナウイルスの騒ぎがあって、当社で持っていたピュアサプライの在庫は1月末くらいの時点で一気に売り切れてしまいました。国内のお取引先もそうですし、中国の今まで取引のなかった会社からも「すぐ現金で払うから、残ってる分全部欲しい!」というような状況でした。

ーー小型イオン発生機を指して、「電子マスク」と呼ばれることもありますが、これは正しい表現でしょうか?

渡辺 そもそもの「マスク」という言葉の定義を置いて話します。小型イオン発生機は、本体からマイナスイオンを大量に放出します。例えば顔の周辺に高濃度のイオンを充満させることで、エアロゾルといった浮遊微粒子を物理的に弾き飛ばすことを目指します。

ですから、エアロゾルの吸引リスクを低減させるという意味では、「電子マスク」という呼び方も、そんなに間違っているものではないと思います。

ーー小型イオン発生機は、つまるところ小型の空気清浄機と思って良いのでしょうか?

渡辺 そうです。ただ、空気清浄機にも大きくわけて2通りあって、「フィルター式」と「イオン式」にわかれます。フィルター式というのは、細かいフィルターの目によって浮遊微粒子をこして、綺麗な空気に変えるもの。一方のイオン式は大量のイオンを放出させる浮遊微粒子に電子を帯電させることで、物理的に除去するものです。

そのイオン発生機を小型化して、携帯できるようにしたものが、当社のピュアサプライです。フィルターの目ではこし切れない細かい微粒子にも対応できるイオンを発生させます。

↑「 ピュアサプライ」(大作商事)1万4500円(税別)。従来のモデルをリニューアルし、3月上旬登場の商品。抗粒子エアシェルターを形成することで、顔周辺の浮遊物質をブロックします。大量に放出されるマイナスイオンが、0.02マイクロメートルの超微細粒子にも対応

浮遊微粒子を覆うマイナスイオンは、ぶつかり合う衝撃によって発生!

ーーしかし、そもそもマイナスイオンというものがよく分かりません。なんとなく森林や滝などでないと発生しないもののような先入観があります。

渡辺 確かにそうですね。イオンとは大まかに言うと、電荷を帯びた状態の原子、分子のことを言います。

よく滝壺の近くだと、大量のマイナスイオンがあるという話がありますよね。水の分子が滝壺に落ちて、衝撃を受けた際に発生するのもの……これもイオンです。ただ、必ずしも水場でないと発生しないものではないんですね。物体と物体のぶつかり合いの衝撃でも「イオン」という分子は発生させられるんですよ。

ーー必ずしもイオンの源が、水分や湿気ではないということでしょうか。

渡辺 そうです。分かりやすく言うとイオン式の空気清浄機は、高圧の電気をかけて、電子同士をガチガチぶつけ合わせ、イオンを発生させるものなんですね。この原理はどのメーカーさんもほぼ同じ方式になっていると思います。これは小型イオン発生機も同じだと思います。

「電子マスク」を選ぶ際の、重要ポイントは、イオン発生量と試験データの信頼性

ーー特に、小型イオン発生機を選ぶ際、どの点を注意すべきなのでしょうか。

渡辺 イオンの発生量も重要ですが、実際の微粒子除去データがあるかが最も重要と考えます。様々なメーカーが「何百個」「何千個」の発生量を謳っていますが、最も重要なことは微粒子除去試験を適切な方法、かつ信頼できる試験機関で行っているかを見極めたほうが良いです。当社の場合、国内の試験期間でバックデータを有した上で、工場出荷前に1台1台イオン発生量を測定して、基準を満たしたモノしか世に出していません。

例えば、インフルエンザウイルスのサイズが0.1マイクロメートル。各種ウイルスの中で極小のノロウイルスが0.03~0.04マイクロメートルと一般的に言われていますが、当社が国内で試験を行った結果、同じサイズの粒子を95%以上除去することを確認しました。

ただ、このデータを量販店の方に話しても、なかなか信じてもらえないこともあります。そういった場合、「分かりました。では、社内の一番花粉がヒドいスタッフに1~2週間使わせて、彼が『これはいい!』と言ったら、うちの店舗でも販売しますよ」というような話になることもあります。

しかし、当社の商品はそういった場面でも、高い評価を受けて販売にこぎつけられることが多い。あるいはネットのユーザーさんが、他社製品と比べた口コミ評価をきっかけに手に取っていただくことも多いです。

↑ ピュアサプライの旧モデルは、ネットユーザーの間で評価がずば抜けてよかった商品

ズバリ、新型コロナウイルスに「電子マスク」は対抗しうるものなのか!?

ーー「電子マスク」と呼ばれる小型イオン発生機を販売される各メーカーに問い合わせたのですが、すでに在庫をきらし、販売を終了しているメーカーも複数ありました。ネット通販でも売り切れが多く、サージカルマスク不足と変わらないような事態になっている印象も受けます。

渡辺 これも各社とも事情は異なると思いますが、当社の場合は、これからも販売を継続していきます。今回の新型コロナウイルスだけでなく、毎年のインフルエンザ対策、花粉症対策でも一定の需要がありますので、当然継続し販売していきます。

ただ直近の話で言いますと、当社の場合は順次パーツが揃い次第生産していくので、当面販売できる数千個がどれくらいで売り切れてしまうかはまったく分からないです。

ーーズバリ、この「電子マスク」と言われる小型イオン発生機は、新型コロナウイルスに対抗できるものでしょうか。

渡辺 実は、マイナスイオンがコロナウイルスに確実に効果があるとは、科学的に証明できないのが実態です。またピュアサプライは医療用具ではないため、他の空気清浄機と同様にウイルスなどの感染予防を保証する製品ではなく、完璧にウイルス全般を予防できるとは言い切れません。

ただし、唯一証明できるのはイオンの発生量と国内で試験を実施した浮遊微粒子の除去データです。このイオンの発生量によって、身の回りの浮遊微粒子(ウイルスを含む)を弾き飛ばすことができるわけですから、例えば通常のマスクをして小型イオン発生機をするという二重防御は、それをしない人よりは確実に効果があると思います。

【他にも以下のような小型イオン発生機があります】

↑ 「イオニオンMX」(トラストレックス)1万6800円(税別)。69万個のマイナスイオンを発生させます。特許技術によって体をマイナス帯電させ、浮遊物の鼻腔吸収を防ぐ仕組み
↑ 「イオニアカードPLUS」(サルーテ・ラボ)3600円(税別)。カード本体と空気中の水分が反応し、水分が分解され持続的にイオンが発生するもの。身につけるたけで、アレル物質の吸い込みリスクを低減
↑「 プラズマクラスターイオン発生機<IG-MX15>」(シャープ)実売価格1万6500円(税込)。自動車内または車外でもUSBによって稼働する小型イオン発生機。消臭力に特化しながらも、花粉キャッチフィルターも搭載

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

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