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Sunday, May 24, 2020

新型コロナ>マスクの次は消毒液 政府、医療機関にずさん供給:社会(TOKYO Web) - 東京新聞

東京都内の医療機関に届いた消毒用エタノールの伝票。品名には「消毒液国による優先供給スキーム」と書かれている

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 新型コロナウイルスの影響で政府が始めた消毒用エタノールの医療機関への優先供給制度で、契約していないのに代金引換で消毒液が届くトラブルが各地で多発している。普段、使用する消毒液の数倍の価格を請求された例もあり、購入を拒否する医療機関も。厚生労働省は「急ピッチでやる中で、連絡ミスなどが起きた可能性がある」と認め、現場からは「不良品が相次いだ布マスク配布と同じで、ずさんだ」という声が上がる。 (三輪喜人)

 「詐欺じゃないのか」。東京都世田谷区の開業医は思わず配送業者に尋ねた。五月中旬、約八万四千円の代金引換で消毒用エタノール二十リットルが届いたが、注文した覚えはなく、いったん持ち帰ってもらった。

 その後、思い当たったのが世田谷区医師会のアンケート。四月上旬、消毒液の在庫量や一カ月分の不足量をファクスで回答した。ただし、発注とも契約とも明記されていなかった。

 区医師会に尋ねると、「世田谷保健所の依頼で要望をまとめただけ」。保健所からは「厚労省がやっていることで、届いたものはキャンセルできないと聞いている」と言われた。

 しかし、届いた消毒液は受付などで使うもので、要望したのはアルコール純度の高い手術用。四月半ばに入手した五百ミリリットル二百八十円(二十リットル一万一千二百円)と比べ、価格もあまりに高額だった。保健所に再確認すると、「購入しない医療機関もある」と明かした。「どういう仕組みなのかさっぱりわからない」と首をかしげる。

 政府は三月中旬、医療機関や高齢者施設などに消毒液を優先供給する枠組みをつくった。都道府県から各地の保健所、医師会を通じて必要量を調べ、政府の要請で、メーカーが各医療機関に直接配送する仕組みだ。

 しかし、厚労省から都道府県、各保健所、医師会、医療機関へ伝達をするうち、注文や契約を確認しないミスが各地で発生した。厚労省の担当者は「発注などは都道府県の裁量で行うため、行き違いがあったかもしれない」と話した。

 都の担当者は「要望調査がすなわち発注のつもりだった。市区町村には発注の確認を依頼していた」。世田谷区医師会の担当者は「要望と注文確認の計二回、区内の医療機関にファクスを送った」と説明した。

 しかし、ファクスに「発注」などの表記はなく、注文確認は曖昧で、契約とはいえないものだった。区医師会には、高額な消毒液が突然届いたといった問い合わせや苦情が何十件もきているという。

 都によると、当初は製造元や商品名、価格、配布時期が示されなかったことが混乱を招いた一因。「無料の配給と勘違いした医療機関もある」と言う。

 今も商品は選べず、返品せずに泣き寝入りしている医療機関も。アルコール濃度が低いという苦情もある。現場からは「優先供給という割に一カ月以上もかかった。コロナの影響で一般診療の患者が減り、必要量も減っているのに」という不満の声も聞かれる。

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