マスクが必携品となり真夏に向け熱中症も心配される中、何度も使えるマスクが進化している。

究極にもみえる“ハイブリッド・ナツノマスク”も登場した。

夏用マスクで話題になった合繊織物大手の丸井織物(石川県)は、新たに「冷感夏マスクwith特製冷却ジェル」を開発した。接触冷感素材の立体布マスクにポケットをつけ、BFE(飛まつなど細菌ろ過効率)99・7%の高性能防菌フィルター(5枚)と、特製冷却ジェル(2個)を組み合わせた。耳ヒモも長さ調節可能なアジャスターをつけ、さらに糸からフィルター、ジェルまですべて日本製とこだわっている。ジェルを冷凍庫で冷やせば、ひんやり感が30分間程度は持続するという。

創業82年の同社は今年初めてマスクを生産。先行の夏用マスクは当初予定5000枚が、受注10万枚ものヒットとなった。宮本智行常務は「今回はさまざまな要望に応えようと開発した。コロナ禍が続く中、猛暑でも少しでも快適にすごしていただきたい、役立ちたい思い」などと話す(通販、税込み1980円)。

その他アパレル大手なども技術を生かし参入中だ。ユニクロは機能性インナー「エアリズム」の生地を使ったマスクを販売予定(価格未定)。無印良品は、オーガニックコットン生地に抗菌防臭加工したマスクを発売し大ヒットしている(2枚組み、税込み999円)。

ミズノは、水着などに使う伸縮性などに優れた素材でマスク「マウスカバー」(税別850円~)を開発し、2万枚が即完売。さらに5万枚を用意し、まず販売サイトへの入場権を抽選する方式にしたが、予想以上にアクセスが集中し、受け付けを一時停止しているほどだ。ヨネックスも、汗に反応して熱を吸収するキシリトール配合素材の「スポーツフェイスマスク」(税別840円)を数量限定販売すると発表し、問い合わせが殺到。15日にオンライン販売予約受け付け(4枚1セット販売)などを開始する。

外国製など使い捨てマスクは飽和状態だが、高機能マスクは人気で、二極化が進んできた。【久保勇人】

○…プールで水泳指導者が指導の際に使うマスクも登場した。ロッキンプール社(東京都台東区)が開発販売する耐水透明マスク「プールマスクマン」(税込1枚2980円~)。4月末に予約開始したところ、大手スポーツクラブ、スクールなどからの注文が2万枚を超え、納品が約1カ月待ちとなった。元競泳選手で、スクールで指導経験もある西川隼矢社長は「子供と指導者の目線が同じになり、顔も近くなることがある。指導者からの飛まつをガードし、見ている保護者の方にも安心してもらおうと開発した」と説明する。