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Wednesday, August 12, 2020

酷暑にマスク、熱中症の心配も:時事ドットコム - 時事通信

漆原次郎(科学技術ライター)

 暑い盛りにマスクを着けて過ごす。昨年までは想像もつかない日常風景が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で見られている。

 感染拡大を防ぐためとはいえ、酷暑でのマスク着用は息苦しさや暑苦しさを伴い、熱中症や体調変化も心配される。これに対し、学術団体は「適宜マスクを外して休憩することも大切」と人びとに呼び掛けている。また、マスクを製造する企業も「冷感」をうたうマスクを発売するなど、人びとのニーズに対応している。

 梅雨が明け、暑さは本格的になった。今後は全国的に例年より暑くなるという予報もある。熱中症の専門医や、冷感マスクを製造する企業に取材し、この時期のマスクとの付き合い方を探ってみた。

WHO「感染を防ぐ根拠なし」から「着用推奨」へ方針転換
 多くの人が使っているのが「家庭用マスク」や「医療用マスク」だ。これらマスクの着用には、主に自分からの飛沫(ひまつ)や、飛沫より細かいエアロゾルなどを介したウイルス感染を抑える効果があるとされる。また、マスクの種類や性能次第ではウイルス侵入を防ぐ効果も期待されている。

 世界保健機関(WHO)口腔(こうくう)保健協力センターの研究者らが今年5月、英国の専門誌『ネイチャーメディシン』に報告した論文は、マスクのこうした効果を示すものだった。通常の風邪の原因となるコロナウイルス感染者のうち、マスクを着けている人からの飛沫やエアロゾルではウイルスは検出されなかったが、マスクを着けていない人の3分の1からはウイルスが検出されたという。

 WHOは当初「健康な人がマスクを着けても感染を防げる根拠はない」と主張してきたが、6月上旬にその方針を転換し、「感染が広がっている地域の公共の場でのマスク着用を推奨する」とした。一般の人びとに向けては、市中感染地域での公共交通機関や店など「物理的距離(フィジカルディスタンス)」を取るのが難しい場所で、本人からの感染を防ぐ目的でマスク着用を推奨している。また、60歳以上や基礎疾患のある人たちには医療用マスクの着用を、本人へのウイルス侵入防止の目的で推奨している。

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August 12, 2020 at 02:09PM
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