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Friday, January 15, 2021

「麒麟」はどう描く?個性的すぎる本能寺の変10選 - 梅ちゃんねる - 芸能コラム - ニッカンスポーツ

kuebacang.blogspot.com

NHK大河ドラマ「麒麟がくる」も、あす17日の41話「月にのぼる者」を含めて最終回(2月7日)まであと4話となり、「本能寺の変」がどう描かれるのか、番組ファンの考察も盛り上がりを見せている。

織田信長のスター性と、遺体が見つかっていないというミステリー性。作家性の発揮のしどころとあって、これまでもSFからメルヘンまで何でもありで描かれてきた。個性的すぎて記憶に残る本能寺の変を10本挙げてみた。

【メルヘン本能寺】

◆大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」(11年、NHK)

死を覚悟した信長(豊川悦司)の前に、幼いめいっ子、江姫(上野樹里)のまぼろしが現れ、いざなわれるように光の中へ。馬に仲良く2人乗りして駆けていくキラキラなファンタジーに戦国ファンが大いにざわつく。江姫は、信長の死を夢のお告げで知る。

【LINEで本能寺】

◆「光秀のスマホ」(20年、NHK)

戦国時代にスマホがあったら。エゴサする光秀、裏アカでグチる光秀、信長の鬼電に震える光秀。手の中のスマホ画面だけで戦国時代を描き、「麒麟がくる」の1年を30分(5分×6話)でやってしまって笑った。家臣団とのグループLINEで「敵は」「本能寺に」「蟻!」。あせって変換ミスする光秀と、炎上する本能寺から「光秀、是非に及ばず」とLINEしてきた信長の達観。民衆の竹やりに射抜かれ、動かなくなったスマホのラストもあざやかだった。

【王道系】

◆大河ドラマ「国盗り物語」(73年、NHK)

司馬遼太郎原作。パワハラと領地召し上げにキレた光秀(近藤正臣)による“暴君討伐説”というベーシックの傑作として人気が高く、流血する光秀の「殺してやる」の心の声がキレキレ。「敵は本能寺にあり」「敦盛」「是非に及ばず」の流れがわくわくと進み、信長(高橋英樹)が光秀を高く評価していたゆえの悲劇性もずば抜け。領民思いの光秀が、領民の竹やりに沈む泥まみれの末路も切なかった。もっと古い「太閤記」(65年)もNODで見たが、後の戦国ドラマへの影響がよく分かるかっこよさ。

【都市伝説系】

◆「時空警察」(01年、日本テレビ)

光秀は生きていて、徳川3代の側近として天下太平に大きく関わった謎の僧、天海の正体であるという「光秀=天海説」をうまく料理。比叡山の石灯籠の文字、日光の明智平、「秀忠」「家光」を組み合わせると「光秀」など、トンデモな都市伝説をしっかりエンタメ化していて、ロマンの広がりという意味では個人的に好み。家康や秀吉の“協力”がないとできないウルトラCで、各武将との友情を丁寧に描いてきた「麒麟がくる」なら、こんな展開も意外とはまると思う。

◆「女信長」(13年、フジテレビ)

信長は女だった、という仮説で描く戦国ラブストーリー。愛する信長(天海祐希)を宿命から救ってやりたい光秀(内野聖陽)が、「信長は死んだ」ことにするため本能寺の変を起こす。ツッコミどころ満載だが、エンタメとして「そう来るか」の痛快があり、この流れでの「敵は本能寺にあり」がとてつもなく切ない。男装の天海祐希が舞う「敦盛」も宝塚時代のようで心躍った。2人で船で異国へ、というハッピーエンドも振り切っていて良い。

【アニメ系】

◆「へうげもの」(11年、NHK)

人気マンガをアニメ化。天下をねらう秀吉が、明智をそそのかして信長を討たせたという秀吉黒幕説。明智軍の到着前に本能寺に潜入した秀吉が、寝所から起き上がってきた信長の胴体を水平に真っ二つ。切れた胴体がまだ乗っかっている信長が「刀が安い!」と一喝し、まさに魔王の風格。自らの血で茶をたて、ひきつる秀吉に茶わんを手渡して絶命。アニメだから描ける本能寺の変とはいえ、信長のかっこよさではこれがいちばんかも。

【ナレ死系】

◆NHK大河ドラマ「真田丸」(16年)

45秒の超スピード本能寺で話題に。本能寺とともに焼け落ちるよろいの映像と、「そのころ、天下統一を目前に織田信長が散った」というナレーションのみであっさり次へ。主人公周辺に関係ないイベントは大胆にスルーする三谷幸喜印が話題になった。

【どコメディー】

◆空想大河ドラマ「小田信夫」(17年、NHK)

ネプチューン主演で大河のパロディー。ホリケンの小田が何かというと「敦盛」を舞いたがり、面倒くさい明智(名倉潤)が主君におきゅうを据えようと謀反。炎の中、ついに「敦盛」を舞う小田の前に明智が登場し、仲直りして一緒に舞う。最終話のタイトルは「本能寺の辺」。実際の大河ドラマのセットとスタッフを使った映像の格調と、ばかばかしいストーリーのギャップが新鮮だった。

【SF系】

◆映画「信長協奏曲」(16年)

現代から戦国にタイムスリップした高校生サブロー(小栗旬)が、同じ顔をした織田信長の影武者に。本物の信長は覆面キャラの光秀となり、最後は2人とも秀吉(山田孝之)のわなにはまる。同じ顔が2人いることを利用した秀吉による二重構造の本能寺の変がドラマチックで、光秀ではない人が言う「敵は本能寺にあり」が素晴らしい。炎の中で、同じ顔の信長と光秀が交わす別れが切ない。SFと信長は、何かと相性がいい。

◆映画「戦国自衛隊」(79年)

自衛隊の1個小隊人が戦国時代にタイムスリップ。昭和への帰還を目指し、戦車、ヘリ、装甲車の近代装備で戦国を駆け抜ける。未来的な武器で頭角を現し、天下の野望を持つ主人公(千葉真一)に信長が重なり、友の裏切り、荒れ寺が焼け落ちるラストシーンなど、本能寺の変を思わせるモチーフは有名。自衛隊と騎馬軍団の合戦スケールが壮大すぎて、見たことがない本能寺の変の表現にあっけにとられた。

【梅田恵子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能記者コラム「梅ちゃんねる」)

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