NHKの連続テレビ小説「ひよっこ」などでも知られる脚本家、岡田惠和(よしかず)の作品に初めて挑む。演じるのは、人知れず余命宣告を受けた田渕ゆり子。ゆり子と彼女を取り巻く家族の絆を描いたオリジナル作品だ。
「岡田さんの作品のファン。いつか出たいと思っていた」と打ち明ける。実際に「最初のト書きから吸い込まれるように、一瞬にして想像力が湧き立った」。
岡田の脚本は「行間を想像させてくれた。託してくれ、信じてくださっている」と分析。周囲にも「また岡田作品をやりたい」と話しているという。
ドラマは、東京で1人暮らしをする父(寺尾聰)のもとに、突然ゆり子が里帰りするシーンから始まる。
寺尾との最初の共演シーンで、寺尾が「この作品のような石原さとみを見たかった」と話しかけた。「なんてうれしい言葉をかけてくれる優しいお父さんなんだろう」と感動した。
特に食事シーンのテストで、「おいしいという言葉がハモって。合わせに行こうともしていないのに。作り上げようと頑張らなくてもできるって奇跡だと思って。寺尾さんのことすごく好きです」とほほ笑む。
撮影はコロナ禍前の令和元年秋に行われた。「命が突如なくなるという不安の中、後悔のないよう、一日に一つの幸せを感じる年になれば」と新たな年に思いを強くする。「温かく愛のあふれる作品。表情や空気感を楽しんで」。石原の新たな女優像が見られそうだ。(兼松康)
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〈いしはら・さとみ〉 昭和61年生まれ。東京都出身。平成14年、ホリプロタレントスカウトキャラバン「ピュアガール2002」でグランプリを受賞し、女優活動を開始。主な出演作に、TBS系「アンナチュラル」、映画「わたしのグランパ」「北の零年」「シン・ゴジラ」など。
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