英ロンドンのサディク・カーン市長は14日、イングランドで新型コロナウイルス対策のロックダウンが緩和される19日以降も、市内の地下鉄やバスでのマスク着用義務を継続すると発表した。
カーン市長は、顔を覆うルールを緩和することで交通機関の利用者を危険にさらしたくないと述べた。
ロンドンの公共交通機関では昨年以来、感染拡大防止策としてマスクなどで顔を覆うことが義務付けられている。
しかしイギリス政府はロックダウン緩和に伴い、混雑時のみマスクを付けるよう助言するルールに切り替える予定。
イングランドでは19日に、新型ウイルス対策の大半が終了する。ボリス・ジョンソン首相は、混雑時の地下鉄車内などではマスクを着けることが推奨されるが、義務ではなくなると話していた。
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ロックダウン緩和以降にもマスクの着用を要求している都市は、イングランドではロンドンが初。
スコットランドでも19日に制限の大半が解除されるが、自治政府のニコラ・スタージョン第一首相は、顔を覆うルールを「しばらくの間」継続すると述べている。
スコットランドでは、小売店や交通機関、パブやレストランで座っていない時などは、マスクを着けるよう求められる。
ウェールズも公共交通機関や医療・介護の現場などでは引き続き、マスク着用が法律で義務付けられるという。
カーン市長は、地下鉄とバス、ドックランズ・ライト・レイルウェイ(DLR)、オーバーグラウンド、ロンドン交通局(TfL)鉄道の各車両でマスクの着用を義務付けた。
カーン市長は、「イギリス政府の顧問や世界保健機関(WHO)から、屋内で顔を覆うことで感染リスクを減らせると聞いている」と述べた。
「マスク着用は公衆の安全や安心につながる。ウイルスが存在する以上、感染の懸念がある以上、マスク着用を義務とする」
その上で、「19日からも、昨年6月以降のようにルールを守る人が大勢いるだろう」と自信を見せた。
運転手らが呼びかけ
計画では、TfLの警備員は交通機関で顔を覆っていない人に対し、利用を拒否することができる。
また、TfL職員やバスの運転手などは今後も、乗客にマスク着用を促すことになる。
運輸監督機関「トランスポートフォーカス」の調査では、ロンドン市民の56%が、「乗客がマスク着用を義務付けられていない限り」公共交通機関を使わないと答えている。
またTfLの調査によると、今年5月2~29日の間に交通機関を利用した人のうち86%が、利用中継続して顔を覆っていたと答えた。
利用中の一部、あるいは全体を通じて顔を覆わなかった人は14%だったが、その約3分の2(74%)が、顔を覆えない相応の理由があったと述べている。
「政府による強制から個人の責任へ」
イングランドでは19日から、店舗内や公共交通機関、各種屋内施設でのマスク着用の法的義務が解除される。その後は、政府によるガイダンスに切り替わる。
政府の報道官は、「政府による全体的な強制から、個人の責任に頼る形に移行する」と強調した。
「ガイダンスでは明確に、市民が普段会わない人々と閉鎖された混雑した空間で接触する際の、マスク着用を期待し、推奨する」
グランド・シャップス運輸相は、ロンドンで交通機関を利用すれば「混雑した場所に行く」ことになるため、マスク着用は「状況を考えた際の常識の範囲」だと述べた。
これに対し最大野党・労働党は、マスク着用を法的義務から外すことは「無責任だ」と批判している。
交通労組RMTは、カーン市長の決定を歓迎。スコットランドやウェールズ、イギリスとヨーロッパ大陸を結ぶ国際高速鉄道「ユーロスター」などで適用されているルールと共通になると述べた。
一方で、「ロンドンを通過する利用客が、その間だけ別の鉄道と違うルールが適用されるというばからしい状況が生まれる」と指摘した。
からの記事と詳細 ( ロンドンの交通機関、マスク着用は継続へ ロックダウン緩和後も - BBCニュース )
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