コロナ下でマスク必須の生活にも慣れた昨今、雑貨店にはさまざまなマスクケースが並ぶほか、飲食店でも紙製のマスクケースが備えられているのを見掛ける。どう使えばよいのか、知らない人も意外に多いのでは。マスクケースを巡る所作について考えてみたい。
携帯用マスクケースは、花粉症対策でマスクが普及し出した頃から出回り始め、コロナ流行を機に広がった。飲食店で用意されているマスクケースは紙を折り畳み、間にマスクを挟み込むタイプのものが多い。感染対策の一環として取り入れられたが、店名や季節に合わせた絵を入れたものもあり、店の個性を楽しめる。
岐阜市岩地の「中華そば麒麟(きりん)」では昨年10月の開店当初からケースを準備。店長の大橋弘樹さん(35)は「こういうご時世なので、できる限りの対策をしたかった」と話す。オリジナルのイラスト入りケースは好評で多くの客が利用する。ただしケースにマスクを入れたまま店に置き忘れてしまう人もいるとのことで、注意が必要。
そんなマスクケース、「どう使えばいいのか」「使うのが気恥ずかしい」などの声もある。そこで元客室乗務員でマナー講師の武田由美さん(59)=美濃加茂市=に、美しい所作について聞いた。
携帯用マスクケースは「基本的に新品のマスクだけ入れるもの」と武田さん。使用済みマスクを一時保管するためのケースと2種類持つのがベストという。
飲食店でのマスクケースについては、テーブルの上には食事に使うもの以外は置かない、というテーブルマナーの基本がある。従ってマスクはケースに入れ、バッグに入れる、またはナプキンを敷いた膝の上に置くのがスマートだという。ケースがない場合は、マスクの内側を中にして折り畳むなどして、膝の上に置くとよい。
飲食店では「黙食」が推進され、料理を待つ間もマスクは着けて会話を控えめにし、料理が出されたら話さず食事を楽しむのが望ましいとされている。では、料理を待つ間に水を飲む時などのマスクの扱いは。ついマスクを顔の下にずらす「顎マスク」をしがちだが、「その都度マスクをさっと外して膝に置き、水を飲んでまたマスクを着けるのがスムーズでよい」と武田さんは話す。
美濃加茂国際交流協会の事務局長でもある武田さんは海外事情にも詳しいが、マスクケースは日本独特の文化という。「日本人のきちょうめんさの表れのようです」
「マスクの扱いに関するマナーはまだ十分に確立されていないのが現状」と武田さん。そもそもマスクは表情を隠すもので、人前で着けるのはマナー上でNGとされてきた。今はコロナ社会でマスクを着用するのがマナーの時代となった。そんな中では「他人から見て不快でない」ということを原則にした所作が基本線。そして、マスクを着けていても明るい表情が分かるよう、精いっぱいの笑顔を心掛けたい。「目元だけでも笑っていれば相手に伝わるもの。見えない表情まで見せるよう努めるのが大切です」と武田さんは話している。
からの記事と詳細 ( 新たなマナー「マスクケース」どう使う 携帯用は2種類用意、食事中はバッグの中か膝の上 - 岐阜新聞 )
https://ift.tt/3Dcd4t6

No comments:
Post a Comment