
減り続ける感染者
「日本では驚異的なスピードで新型コロナの感染拡大が収束しています。いま日本人は、日常生活でマスクを外せるかどうか、判断して良い時期に来ているのではないでしょうか」(米ミネソタ大学感染症研究政策センター所長のマイケル・オスターホルム教授) 11月1日、東京都の新規感染者数は9人と発表された。一桁台は昨年5月31日以来の1年5ヵ月ぶりだ。感染者数は順調に減っている。 営業を再開した飲食店や外出する人が増えてきて、かつての日常生活が戻ってきたと感じる人も多いだろう。ただ、一つだけコロナ前と違う点は、いまだに誰もがマスクをつけ続けていることだ。 今後どれだけ感染が収束に向かったとしても、日本人は永遠にマスクをつけなければならないのか。そんなことはない。実は、多くの専門家たちが「近いうちにマスクは外せる」と思っている。 順天堂大学医学部講師で薬学博士の玉谷卓也氏はこう語る。 「コロナの感染者を0にすることを目指すなら、未来永劫マスクをつける必要があるかもしれません。世界中で蔓延して、ワクチンを打ってもブレークスルー感染することが明らかになった今となっては、コロナの根絶は現実的に難しい。 結局、コロナとの共存を目指していくしかありません。具体的に言えば、風邪やインフルエンザにかかったときのようにコロナ患者を治療できるようになることが望ましい。そうなれば、全員がマスクをする必要はなくなります」 その鍵を握っているのが治療薬だ。米メルク社が開発中の「モルヌピラビル」によって、世界中のコロナ対策は転換点を迎えるとされている。 このカプセル剤は、軽症から中等症のコロナ患者の重症化リスクを低下させるだけでなく、家族や接触者の感染予防にもなる。5日間(一日当たり2回)飲むだけでいいので短期間で治療できる。 メルク社が行った臨床試験によると、軽症から中等症のコロナ患者のうち、偽薬を投与された患者の14・1%(377人中53人)は入院したが、モルヌピラビルを投与した患者は7・3%(385人中28人)しか入院しなかったという。 この結果を受けてメルク社は、モルヌピラビルについて「重症化リスクを約50%減少させた」と発表した。 「新型コロナに感染して重症化すると、本来は身体を守るはずの免疫システムが嵐のように暴走し、全身に炎症を引き起こす『サイトカインストーム』が起こります。現在まで医療現場で使われている治療薬は、この免疫の過剰反応を抑えるものです。 一方、『モルヌピラビル』は新型コロナに直接作用して増殖を抑えます。ウイルスが増殖するために必要なRNAポリメラーゼという酵素の働きを阻害することでウイルスの増殖を防ぎ、重症化リスクを下げるのです」(前出・玉谷氏) この薬が画期的な点は、世界初となる軽症者向けの経口治療薬(飲み薬)であることだ。 これまで新型コロナの感染拡大で恐れられていたのは、医療体制の逼迫による社会崩壊だ。重症者数が増えるにしたがって空き病床が少なくなり、自宅療養者が続出した。 だが、薬局で飲み薬が処方されるようになれば、入院することなく自宅で服用できる。医療現場の負担軽減につながり、自宅療養者が急変して死亡するようなケースもなくなるはずだ。 このモルヌピラビルが日本国内に出回るようになる時期はいつなのか。浜松医療センター感染症管理特別顧問の矢野邦夫氏はこう解説する。 「メルク社の日本法人は厚生労働省に特例承認を申請しています。岸田首相も年内の実用化を目指すと言っていますから、遅くとも来年の3月ごろまでには発売されるのではないでしょうか」 11月4日、イギリスは世界で初めて「モルヌピラビル」の販売を承認した。日本で実用化される日は着実に近づいている。 さらに日本で専門家から注目をあつめている経口薬や治療の仕方がある。その詳細は後編の「新型コロナはこれから感染しても「死なない病気」と言える、これだけの理由」でお伝えする。 『週刊現代』2021年11月13・20日号より
週刊現代(講談社)
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