2月26日、ウクライナ副首相兼デジタル担当相のムィハーイロ・フョードロフ氏はSpaceXのイーロン・マスクCEOに対してTwitterでインターネット通信の維持のためStarlink端末を支援して欲しいと訴えました。マスクCEOは28日にこれに反応して端末を送付したと発表しました。
ただ、マスク氏はStarlink端末を使った通信はできるだけ短時間で必要なときに絞るようアドバイスしました。なぜなら、ロシアは空爆目標を設定するのに、三角測量を用いた計算によって衛星アップリンク通信の起点を割り出す長年の技術を持っているから。
さらにマスクCEOは土曜日、Starlinkはインターネットプロバイダーとしてロシアのメディアを遮断しないことをTwitterで明らかにしました。マスク氏は(ウクライナではない)ほかの国の政府からロシアメディアの遮断を指示されたものの「銃を突きつけられでもしない限り」要求には応じないと述べ「言論の自由の絶対主義者ですまないね」と続けました。
これに対してフォロワーからは「ロシアのプロパガンダを垂れ流しにするのか」との意見も出たものの、マスク氏いわく「すべてのニュースソースは部分的にプロパガンダだし、他よりもっと多く含んでいるものもある」と答えています。
また、マスク氏はSpaceXが一時的に情報セキュリティと信号妨害耐性強化の優先順位を上げるため、StarshipおよびStarlink V2計画に「わずかな遅れ」が生じるだろうと指摘しました。
欧州連合は2月27日にロシア国営メディアRTとSputnikがプーチンが戦争を正当化するための嘘の情報を広めているとして、当該メディアへのアクセスを禁止すると発表しました。これにともないFacebookやYouTubeといったサービスも、このロシアメディアへのアクセスを制限しています。SpaceXまたはマスク氏の姿勢は、ロシアのウクライナ侵攻を非難しロシアメディアのアクセスを遮断する国や企業が増えていることとは対立する動きと言えます。あくまで憶測ではあるものの、Starlinkがロシアメディアを遮断しないのには、支援先のウクライナ政府がロシア国内にどのような情報が流れているのかを知るため、あえてそうしている可能性もあるのかもしれません。
過去数日間にわたる、キエフやマリウポリといった都市での激しい戦闘は、ウクライナ国内のインターネットバックボーンであるGigaTransにも大きな影響を及ぼしています。インターネット監視組織のNetBlocksは、接続性の低下を何度も記録しており、そのなかでもザポリージャ原子力発電所のロシア軍による占拠は、この発電所から国際原子力機関(IAEA)に送信される必要な情報の信頼性をなくしてしまい、原発そのものが潜在的な脅威となってしまっています。
Source:Elon Musk(Twitter)
からの記事と詳細 ( マスク氏、Starlinkは「銃を突きつけられでもしなければ」ロシアメディアを遮断せず - Engadget日本版 )
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