画像提供, Reuters
米ツイッターは12日、米富豪で、米電気自動車（EV）メーカー「テスラ」の最高経営責任者（CEO）のイーロン・マスク氏が同社を440億ドル（約5.6兆円）で買収する計画を撤回したのは不当として、合意に沿って買収を実行するよう求める訴えをデラウェア州の裁判所に起こした。
マスク氏は4月、ツイッターの全株式を1株54.20ドルで買収する案を提示した。しかし今月8日、ツイッターがスパムや偽のアカウントの数に関する情報を十分提供しなかったため、買収から手を引くと述べた。
ツイッターは訴状で、マスク氏が「ツイッターを動かすために公開ショーを仕掛け、売り手に友好的な合併契約を提案し、それを締結した。マスクはどうやら、デラウェア州の契約法が適用されるほかの全ての当事者とは異なり、自分は好き勝手に考えを変え、当社を中傷し、当社業務を混乱させ、株主にとっての価値を損い、そのまま立ち去ってもいいと信じているようだ」とした。
さらに、マスク氏が合併契約に「多くの」形で違反したことから、「ツイッターとそのビジネスに暗い影を落とした」と非難した。
訴状は、マスク氏が「もはや自分の個人的利益にならない」という理由でこの契約から手を引いたとした。
また、マスク氏が取引に合意した後、株式市場はテスラ株と共に下落したと主張。「マスク氏の個人資産の軸になっている、同氏保有のテスラ株の価値が2021年11月のピーク時に比べて1000億ドル以上下がった。だからマスクは手を引きたがっている」とした。
「合併契約が要求しているように市場の低迷に対する代償を負担するどころか、それをツイッターの株主に負わせようとしている」
同社のブレット・テイラー取締役会議長は、「イーロン・マスク氏に契約上の義務に対する責任を負わせる」つもりだとツイートした。
マスク氏は12日、ツイッターに「ああ、皮肉だ（爆笑）」と投稿した。
マスク氏が、ツイッターが提示したスパムや偽のアカウントの数を疑問視し、取引を「一時保留」にしていると発言したことを受け、ツイッターの株価はこの1カ月で8％以上下落。5月には1株当たり50ドル以上の高値から急落した。
両者の契約には、違約金10億ドル（約1360億円）の支払いが含まれる。
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