2022年8月24日 午前7時20分
新型コロナウイルス禍でマスク生活が長期化する中、全国的に美容医療を利用する人が増えている。長時間のマスク着用による肌のトラブルだけでなく、しみ、しわを取った後の一時的な腫れや赤みを隠せることもあり、福井県内でも来院する人が目立っている。専門医は「美容医療は保険外診療。本当に必要な施術なのか、医師と患者がしっかりと話し合って治療を受けることが大切」と話す。
長時間のマスク着用は、蒸れたり皮膚がこすれたりして、肌荒れ、にきび、しみなどのリスクが高まるとされる。資生堂ジャパンが今年4月、全国の30~69歳の女性500人に行った調査によると、約半数が「マスク生活が始まったころと比べ、肌に変化を感じている」と回答した。
大名町スキンクリニック(福井市)は、2021年の新規患者数が20年に比べて15%増えた。しみ、しわの改善を求める女性に加え、ひげの脱毛を希望する男性も増えており、予約がほぼ毎日埋まる状況という。
“マスク美人”や“マスクイケメン”という言葉も広まり、橋本慎太郎院長は「自分の顔に改めて向き合う人が多くなったのではないか」とみている。その上で「施術によっては一時的に赤みや腫れが出るが、目から下をマスクで隠せるため、今のうちにきれいになっておこうという患者さんもいる」と説明する。
神野美容形成外科クリニック(同市)では、マスク着用による肌荒れを心配する声が増えているという。口とマスクの間にコットンを挟んで着用したり、紫外線を遮る効果があるものやこすれにくいタイプを購入したりするよう薦めている。
実際に「目元だけは若く見えるけど、マスクを外すと年齢を感じてしまう」といった声もあり、神野千鶴院長は「マスク生活の長期化で、今までより美容への意識が高まっている」と受け止める。
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