ウィーチャットは、ビデオチャット、ゲーム、写真共有、ライドシェア、フードデリバリー、銀行、ショッピングなどのサービスを提供する包括的なアプリだ。
この種のスーパーアプリはアメリカではまだ普及していないが、マスクはその最初のアプリを作ろうとしていることをほのめかしている。
10月15日にInsiderが報じたように、ソーシャルメディア・コンサルタントのマット・ナバラ(Matt Navarra)は、ツイッターをスーパーアプリに作り変えるのは合理的ではないと述べる一方、マスクが構築するより大きなネットワークの中の「ミニアプリ」になる可能性があると示唆した。
マスクは度々ツイッターの「検閲」を批判してきたことから、今後のツイッターは「言論の自由」がより保障されたものになると考えられる。そのため、多くの人が不愉快だと感じる投稿も増える可能性があり、企業はそのような投稿の隣に広告を載せたいとは思わないだろう。だが、ツイッターにとっては収入源の多様化に向けてのよい動きかもしれないとナバラは指摘した。
ウィーチャットがライバル?
マスクは、自身のアプリがウィーチャットに似たものになると考えている。ウィーチャットは、メッセージング、決済サービス、フードデリバリーなどさまざまな機能を備え、ユーザーが1日に何度も利用するものになっている。
2022年6月、マスクはツイッター全従業員との会議でこのアプリに言及した。
「中国以外にはウィーチャットに相当するものがない」ので、それをツイッターで作るよい機会だと彼は従業員に向けて語っている。
「中国では基本的にウィーチャットで生活が成り立っている。というのも、それが日常生活を極めて便利にしてくれるからだ。我々がそれを実現できれば、あるいはツイッターでそれに近いものができれば成功だと思う」
ウィーチャットのビジネスに詳しい人物によると、同アプリは10億人以上のデイリーアクティブユーザーを抱え、それを支えるために働く従業員はおよそ3000人いるという。Insiderが10月22日に報じた。
マスクがツイッターで「万能アプリ」を作るのであれば、多くの新機能が取り入れられることになる。5月に公開されたAll-In Podcastで、マスクはウィーチャットを「ツイッター、ペイパル、その他さまざまな機能を1つにまとめ、すばらしいインターフェースを備えたもの」と表現した。
壮大なビジョンとは
マスクは、ツイッターの買収でスーパーアプリの開発が3年から5年早まるだろうと述べている。
8月には、ツイッターの競合となり得るサイトについて問われたマスクは「X.com」と答えた。これは2017年にペイパル(PayPal)から買い戻したドメイン名だ。
同月に行われたテスラの年次株主総会で、マスクは株主に対し「Xコーポレーションについては、かつて大きな構想を描いていた」と語っている。
「かなり壮大な構想で、もちろんそれはゼロから(開発を)始めることもできるが、ツイッター(の買収)によって、3年から5年は(開発が)加速するだろう」
だが10月には「ツイッターはXを3年から5年加速させるだろうが、それは間違っているかもしれない」とツイートし、慎重な様子を示した。
フィンテック企業ラピッド(Rapyd)の幹部であるラリー・リー(Larry Lee)は、10月25日に開催されたカンファレンスで、アメリカがスーパーアプリをゼロから開発するのであれば「最大のチャンス」となるのがイーロン・マスクだと述べた。
[原文: Elon Musk's plan to turn Twitter into a super app is a step closer now that he owns the platform]
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)
からの記事と詳細 ( イーロン・マスクはツイッターを「スーパーアプリ」に変えるのか? - Business Insider Japan )
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