2023年04月04日07時04分
新年度最初の平日となった3日、全国の多くの企業で入社式が開かれた。新型コロナウイルスの流行が落ち着いているため、会場に大人数を集めて対面形式の式典を行った企業が目立つ。政府のルール緩和に合わせ、参加者のマスク着用を任意とした企業も多く、各社は手探りで平時への回帰を進めた。
日本航空は羽田空港の格納庫で、4年ぶりに大規模な入社式を開催。赤坂祐二社長は、グループの新入社員約2000人を前に「かつての日常が戻りつつあり、航空需要も着実に回復している」とあいさつした。
日産自動車も横浜市の本社で4年ぶりに対面の入社式を開き、757人が参加。内田誠社長は、自動車業界で「100年に1度」とされる急激な技術革新が起こっていることに触れ、「ぜひ一緒にわくわくする未来をつくっていこう」と呼び掛けた。
リコーは、大山晃社長が約120人の新入社員一人ひとりと個別に対話する入社式を行った。対話は約2メートル離れ、マスクなしで1~2分間ずつ。大山氏は「失敗を恐れず頑張って」などと声を掛けていき、取材に対し「コミュニケーションを取るのに感性の部分は大変重要なので、(マスクなしは)良かった」と手応えを語った。
日本航空や日本製鉄、日立製作所、第一生命保険グループなどは入社式でのマスク着用を個人の判断に委ねた。第一生命は新入社員を集め、式典前に社員と車座で交流する場も設けた。なごやかな雰囲気にして、新入社員の緊張をほぐすのが狙いで、参加者からは「同期や先輩の話が聞けてうれしかった」と喜ぶ声が聞かれた。
一方、日産や三菱重工業は入社式でマスク着用を求め、企業によって感染防止に対する判断が分かれている。また、日本IBM(東京)はインターネット上の仮想空間「メタバース」で入社式を開き、新入社員がアバター(分身)として参加する形をとった。
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