お宝発見だ! 日本人初の覆面プロレスラーが着用した幻のマスクが、このたび奇跡的に発見された。56年前にこのマスクを着用したのは、国際プロレスのエースとして一時代を築いた名レスラーで、2021年12月31日に死去した〝怒涛の怪力〟ことストロング小林さん(享年81)だ。覆面レスラーの祖はどのように誕生したのか――。
貴重なマスクは、小林さんの妹・小林さち子さんが、生前に親交のあった人に形見分けした遺品の中から偶然見つかった。小林さんは1967年7月27日の名古屋大会で、日本人初のマスクマン「覆面太郎」としてデビュー。デビュー直前には特訓の様子が公開され、188センチ、117キロの巨体に腕回り46センチ、太もも72センチ、胸囲138センチというケタ外れの体格を持つ新人が覆面をつけた姿は大きな反響を呼んだ。
しかも覆面戦士ながら「小林省三」という本名が公開されていたというのも驚きだ。当時、小林さんは「最初マスクをかぶることには抵抗を感じましたが、やる以上はデビュー戦からガンガン暴れる。日本で初めてマスクをかぶるレスラーですから責任もある。それに応えるだけのファイトをやってみせます」と語っている。
気になるデビュー戦では、キャリアが1年以上上の大磯武を相手に怪力殺法を披露。ボディースラムからのニードロップで勝利を飾り「汗さえマスクにたまらなかったら、もっといいファイトができた」と新人とは思えない堂々としたコメントを残した。
だが、小林さんの覆面時代は長くは続かなった。当時国際プロを中心に取材したプロレス評論家の門馬忠雄氏は「彼は上半身は立派だった。ただマスクに関しては、試合ができないから、評判としてはあまり良くなかった」と苦笑いで振り返る。
68年1月3日からは素顔でリングに上がるようになったため、着用期間はわずか半年足らず。それでも、その後のタイガーマスクや獣神サンダー・ライガー誕生につながる、覆面レスラーの礎を築いたのは事実だ。
このマスクが、15日から小林さんの生まれ故郷、東京・青梅市の西友河辺店で開催される「ストロング小林展」で展示されることが決定。保存状態も良好で、実際に試合で使用したものと、予備として保管されていたものの2枚がお披露目される。
小林展の実行委員長を務め、生前の小林さんと親交が深かった持田一博氏は「家には何回も行ったことがあるけど、マスクに関しては見たこともなかったし、恐れ多くて聞くこともできなかった。50年以上も前に使われていたものなので、まさか残っているとは思っていなかった。初めて見た瞬間に、鳥肌が立った」と語る。
黒を基調に日の丸がデザインされた覆面については「普通のマスクと違って暖かいマスクで、汗もすごく吸収したと思う。小林さんは汗っかきだったので、もしかしたらやりづらい部分もあったかもしれない(笑い)」とした上で「こういったことにも思いをはせながら、いろいろな角度から楽しんでもらいたい」と呼びかけた。
小林展ではこの他、小林さんの若かりし日の写真や試合で実際に使用したガウン、等身大パネルなど多くの貴重なアイテムが展示される。
からの記事と詳細 ( 日本人初の覆面レスラー〝幻のマスク〟を発見 56年前わずか半年で消えた「覆面太郎」の全容 - 東スポWEB )
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