収入の問題
ただ、マスク氏が2023年11月のインタビューで一部広告主に敵意を示すなど、ヤッカリーノ氏にとって状況は"簡単"ではなかった。反ユダヤ的だと批判されたユーザーの投稿に対するマスク氏の過激なコメントが注目を浴び、広告主はXから逃げ出した。
リンダ・ヤッカリーノ氏。
Jerod Harris/Getty Images
マスク氏のコメントを受け、Airbnbやコカ・コーラ、マイクロソフトといった企業がXへの広告を中止あるいは中止する予定で、Xは最大で7500万ドルの広告収入を失う恐れがあるとニューヨーク・タイムズは当時、内部文書をもとに報じていた。
マスク氏は一部広告主に対し、Xに戻るよう説得しようとしている。6月に開催されたカンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバルでは、同氏は内々に広告バイヤーと会ったり、広告大手WPPのCEOマーク・リード(Mark Read)氏のインタビューを受けるなどした。
カンヌライオンズは広告業界最大のイベントだが、2023年はマスク氏は欠席だった。
体制の一新
財務面でプレッシャーが高まる中、マスク氏とヤッカリーノ氏はXの体制も一新している。
4月にはマスク氏が長年の盟友スティーブ・デイビス(Steve Davis)氏を連れてきて、Xの財務と従業員の業績を見直したとThe Vergeは報じた。フィナンシャル・タイムズによると、デイビス氏はその後、パフォーマンスの悪い従業員の削減を再び検討しているという。
6月にはヤッカリーノ氏の右腕だったジョー・ベナロッチ(Joe Benarroch)氏が会社を去ると発表された。
ベナロッチ氏の後任は、マスク氏の買収前にXで働いていたイギリス人のニック・ピクルス(Nick Pickles)氏と見られている。
ソーシャルメディア・コンサルタントのマット・ナバラ(Matt Navarra)氏は、こうした混乱は「間違いなくビジネスの士気やスタッフの安定感に影響を与えるだろう」と話している。
ナバラ氏は、多くの従業員がすでにTwitterからXへ「トラウマになるような移行」を経験していると付け加えた。
「また、経済界や広告主に対して、この企業は危機的な状態で行動し続けていて、そのマネジメントによって、いつ手がつけられなくなってもおかしくないというシグナルを送ることになる」とナバラ氏は指摘した。
パートナーシップの失敗
ヤッカリーノ氏のCEO就任は慎重な楽観論とともに受け止められ、ヤッカリーノ氏とマスク氏のパートナーシップがスペースXでのグウィン・ショットウェル氏とマスク氏のコンビの"成功"を再現することを期待する声もあった。
スペースXのCOOグウィン・ショットウェル氏。
Amanda Edwards/WireImage/Getty Images
スペースXでは、ショットウェル氏がCOOとして同社の経営や販売のほとんどを監督する一方で、マスク氏は基本的に技術開発に専念している。投資家たちは、スペースXがうまくいっているのはこのパートナーシップのおかげが大きいと考えている。
しかし、ヤッカリーノ氏とマスク氏の間に同じ"魔法"は起きていないようだ。
「誰もがこれはものすごくうまくいきそうだと考えていたのに、そうでないことは興味深い」とピーターソン氏は話している。
「わたしの疑問は、Xが誰にも救えないほど組織的にめちゃくちゃなのか、それともヤッカリーノが自分の知っているやり方で物事を進めることが許されていればできたのか、ということだ」
Business InsiderはXにコメントを求めたが、回答は得られなかった。
からの記事と詳細 ( イーロン・マスクを「上司」に持つのは大変? 答えはXのヤッカリーノCEOに聞けばいい - Business Insider Japan )
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