新型肺炎拡大
布マスクを手作りするための材料が人気の手芸専門店=愛知県豊田市のクラフトハートトーカイ豊田店で
新型コロナウイルスによる肺炎(COVID19)の影響で市販の使い捨てマスクの品薄が続く中、布やガーゼを縫い合わせる手作りマスクへの関心が高まっている。国内での感染拡大に加え、花粉シーズンもまもなく本格化。店頭からマスクが消えても「売っていなければ作る」という人が増えているようだ。
愛知県豊田市にある手芸専門店「クラフトハートトーカイ豊田店」。来店客らは布マスクに適したガーゼの生地を次々に手に取り、「マスク用のゴムはありますか?」と店員に尋ねる人もいた。小学生の子どもを含む家族のためにガーゼを買った同市の主婦・堀川尚美さんは「いつもの年は100円均一のお店で買うけど、今年は材料が無かった。使い捨てマスクも手に入りにくいし、多めに作っておきたい」と話した。
クラフトハート約400店を全国展開している藤久(名古屋市名東区)によると、マスク関連の材料の売り上げは、コロナウイルスの国内初感染が確認された後の1月末から急上昇。2月3~9日の1週間は、前年同期比五倍の約3000万円に上った。材料をそろえた手作りキットやマスク専用のゴムなどが品薄になり、店頭ではカラーゴムなどの代用品を勧めている。
生地とゴム、作り方マニュアルのセットは500円ほど。これで平均3個のマスクが作れるという。愛知県内の店舗では「会社の従業員のため」と言い、80個分のマスクの材料を買っていった人もいたという。藤久の中村直弘営業推進課長は「病院や幼稚園など職場でのマスク着用を義務化する動きもある。過去にインフルエンザが大流行したシーズンとは比較できないほど売れている」と話す。
布マスクの型紙を無料で配布しているインターネットのサイトもある。「無料型紙工房ことろ」は立体的な布マスクの型紙のほか、手縫いやワイヤ入りなど難易度別に数種類のマスクの作り方を公開している。運営者によると、マスクの型紙は7年ほど前から紹介していたが、今年はアクセス数が例年の10倍に増加。関心の高まりを受けて今月6日、裁縫が苦手な人でも挑戦できる超初心者向けの作り方を追加した。
日本衛生材料工業連合会(東京)によると、自作する布マスクは市販品に比べて編み目が粗いが、着用することで口や鼻を手で触りにくくし、喉の乾燥を防ぐことができる。ウイルスの飛沫(ひまつ)感染や花粉の予防も完璧ではないものの、着けないよりは効果があるという。(松野穂波)
(2020年2月16日)
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February 16, 2020 at 12:01PM
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