アイリスオーヤマは同社の大連工場(中国・遼寧省)と蘇州工場(中国・江蘇省)に加え、宮城県角田工場の一部を改修してマスクの生産を実施する。世界的な新型コロナウイルスの感染症問題の長期化に伴ってマスクの入手が困難な状況が続いていることから決定した。
政府は3月中に月6億枚のマスク確保を目標に掲げ、各企業に供給量の増加を要請している。同社もこれに応じ、補助金の対象になる。
同社は、これまで中国の大連工場と蘇州工場の2拠点において、24時間稼働でマスクを生産し、月間8000万枚のマスクを日本国内に供給してきた。しかし、国内では海外生産のリスク増加により、マスクの品不足が長期化している。今回、日本国内の生産設備導入によって2020年6月より角田工場を稼働させ、月間6000万枚のマスクを新たに生産。日本国内に月間1億4000万枚を供給できる体制になり、日本への供給能力を約8割引き上げる。
また、今秋には米国、韓国、フランスでも現地生産を始める計画だ。同社はマスクを装着する習慣がなかった海外でも需要が生まれると見て現地生産を始める。米国ウィスコンシン工場で20年9月から月6000万枚、同年10月から同3000万枚を韓国の仁川、フランスのパリ郊外の工場でそれぞれ生産する考えだ。これまで中国1カ国に依存していた生産体制を分散し、リードタイムを約2週間短縮できるため、安定供給の体制を構築できる。
同社は「行政や業界団体と連携を図りながら、必要な支援を行ってまいります」とコメントしている。
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