【これからの見通し】きょうはECB理事会、ユーロの方向性決定づけるか
きょうのECB理事会はその内容が注目されるとともに、それに反応するユーロ相場の動きにも注意したいところだ。
ユーロドルは長らく上昇トレンドを続けてきたが、1.20の節目水準に到達したタイミングで流れが反転している。ただ、足元の1.17・18台では売買が交錯している。果たして、ドル安・ユーロ高のトレンドに調整が入っただけなのか、本格的にドル高・ユーロ安の方向転換したのか。きょうのECB理事会がひとつの判断材料となりそうだ。
きょう発表される内容についても思惑が分かれている。レーンECB理事がユーロ相場は重要問題だ、と述べたことが市場はユーロ高に対するけん制と捉えている。ユーロ高が進行すると、輸入物価の抑制を通してインフレ圧力を押し下げる効果がある。輸出が不利になることが経済にダメージを与える面もある。ECBの掲げる物価目標からは遠のくばかりとなることが懸念される。ラガルドECB総裁会見では、ユーロ相場に対する認識が注目を集めそうだ。
一方で、昨日に報じられたように、ECB経済見通しが引き上げられる可能性も指摘されている。ただ、これについては従前から今年のGDP減速見通しが改善されるとともに、来年のGDP回復見通しは鈍化する方向に予想が変化している。つまり、V字回復シナリオの振幅がやや狭められただけともいえそうだ。この点については、ECB見通しで今年の引き上げだけではなく、来年の予想の変化もセットで見なければならないだろう。来年の回復見通しの強さが維持されるようだと、ユーロ買いにつながりそうだ。ただ、新型コロナ感染拡大収束の前提条件次第の面もあり、過度の楽観視にもリスクはありそうだ。
今週のドル相場ではブレグジット関連への思惑でポンドドルの下げが先行してきたが、きょうはユーロドルが1.18を挟んだ上下動から脱却できるのかどうかが焦点となろう。
このあとの海外市場で発表される経済指標は、トルコ失業率(6月)、南アフリカ製造業生産高(7月)、ECB政策金利、ブラジル小売売上高(7月)、米新規失業保険申請件数(5日までの週)、米生産者物価指数(8月)、米卸売在庫・確報値(7月)、米卸売売上高(7月)など。
金融当局者発言・イベント関連では、ラガルトECB総裁会見と講演のほかにも、マックレム加中銀総裁、ビルロワドガロー仏中銀総裁などの講演が予定されている。米週間石油在庫統計の発表、米30年債入札債(230億ドル)の実施なども予定されている。英国とEUの通商協議がロンドンできょうまで行われる。今後の交渉継続について、日程などがどうなるのか。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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