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Tuesday, December 8, 2020

ドコモの新プラン「ahamo」は携帯料金の常識を変えた? ワイモバ・UQとの違いとは - ITmedia

kuebacang.blogspot.com

 NTTドコモが12月3日に発表した新料金プラン「ahamo」(アハモ)。月額2980円(税込、以下同)で20GBのデータ容量を提供するプランで、すでにWeb上で実施されている先行エントリーに申し込んだ人や、乗り換えを検討中の人も多いだろう。

photo NTTドコモの新料金プラン「ahamo」(アハモ)

 だが、携帯電話料金の値下げに取り組んでいるのはNTTドコモだけではない。総務省による携帯市場の競争を後押しする行動計画の発表を受け、KDDIはサブブランドの「UQ mobile」で月20GBで3980円の「スマホプランV」を発表。ソフトバンクも「Y!mobile」で月20GBが4480円の「シンプル20」を発表しており、主要3社の新料金プランが出そろったといえる。

 そこで本記事では3社の新料金プランの内容を振り返りつつ、ahamoの登場が携帯業界にどのような影響を与えるか考察していく。

ahamoと2社の新料金プランを比較

 まずは現時点で3社が発表済みの新料金プランを振り返っていく。

photo各社のプラン比較表

 3社が発表した20GBプランは、今でいえば「中容量」の料金プランに相当する。大手携帯電話会社の既存プランでは「50GB以上の大容量プラン」で8000円前後、「1GB刻みの段階制・小容量プラン」では5000円で5〜7GB程度しか使えない場合が多く、これを踏まえると各社のプランは思い切った値下げといえる。

 その中でもahamoは3社の新プランで最も安く、ユーザーに与える“お買い得感”も大きい。例えばUQ mobileの「スマホプランV」は、月額料金が最安で3480円まで下がる「家族割引」を用意しているが、それでもahamoの2980円に及ばない。スマホプランVは30秒あたり20円の通話料がかかるが、ahamoは5分までの通話が無料だ。

 他2社のプランと違い、5G通信が使えるのもahamoの特徴だ。今後、ユーザーがSIMカードのみを契約し入れ替えて使っていく際に、最新スマートフォンの機能をフル活用できる点も強みになる。

 いわゆる“2年縛り”(2年定期契約)がないのは3社共通だが、「契約事務手数料」が無料なのはahamoだけだ。ただし、ahamoは受付をオンラインに限定しており、他2プランと違って店頭では申し込みできない。

ahamoが携帯料金の「複雑な割引」を変える第一歩に?

 そんなahamoだが「複雑な割引を適用しなくても安い」というのはやはり大きなアドバンテージといえる。これまでの携帯料金プランにも安価なものは存在したが、その多くはもともとの料金が高く、いくつもの割引を適用することで安くなるというものだった。

 例えば「2980円」と広告に打ち出される料金は「契約から半年だけ適用される割引」や「光回線とのセット割引」など、複数の割引を適用した場合の最安値であることが多い。これらの条件を満たせない人が「広告価格より高くなった」と感じることも、今までの携帯電話料金が「高い」といわれてきた理由だろう。

 こうした「半年間の割引」や「光回線とのセット割引」は2年縛りと同じく、他社への乗り換えを阻害する囲い込みとしても機能している。

 一方、今回発表されたahamoは、サブブランドでないNTTドコモ本体の料金プランながら(1)2年縛りなし(2)契約事務手数料なし(3)家族割の対象外(4)光回線とのセット割なし──など、とにかく囲い込みが存在せず、乗り換えコストもかからない。

 そんなahamoが、今後の携帯業界にどんな影響を与えるのか。大きく分けて2つの可能性が考えられる。

影響1: 他社は追随を余儀なくされる

 1つ目は、2980円という料金設定に対し、他社が追随せざるを得なくなることだ。ahamoの発表からまだ数日しかたっていないが、長らく携帯電話の販売に関わり、家族や友人の携帯料金の相談にも乗ってきた筆者のもとには「他の会社でも値下げされるのか」といった質問、相談が何件か来ている。

 実際にいくつかの店舗にヒアリングしたところ、家電量販店の店頭では、発表された週の末から「ahamoの申し込み方法」や「ahamoみたいなプランは出ないのか」といった問い合わせが急増しているという。ahamoに対するユーザーの期待がこれだけ大きいとなれば、他社は追随するしかないだろう。

 ドコモがメインブランドのプランとしてahamoを発表したことも大きい。「公式サイトのドメインがドコモ公式サイトと別」「端末はahamo専用サイトから購入する必要がある」などの特徴から、もともとサブブランドとして発表する計画だった可能性もあるが、いずれにせよ今後は「メインブランドの値下げ」が携帯電話大手3社の主戦場になるだろう。

影響2: 乗り換えコストや囲い込みの撤廃

 もう1つは、他2社が乗り換えコストや囲い込み施策の見直しを迫られる点だ。ahamoと比べて「高い」といわれる既存の料金プランも、ユーザーが家族全員で同じ事業者を契約し、光回線のセット割引などを適用すると、1回線あたり2000円〜3000円程度安くなる。そのため、月50GBや無制限という高額なプランでも4000円台から利用でき、実際に使ってみるとその恩恵は大きい。

 一方で恩恵が大きいからこそ、ユーザーはキャリアの乗り換えに「料金が高くなる可能性への不安」や「手続きの面倒さ」を感じることになる。光回線の解約に伴う撤去工事や、移行先の会社とセット割の組める光回線が利用できるようになるまでのラグを考えると、他社への移行をすぐに決めるのは難しく、サービス内容や料金の競争を大きく阻害する原因になっている。

 もし他社がahamoに追随する場合、もはや料金を値下げするだけでは、ユーザーは魅力に感じないはずだ。今まで安いと思って契約していた会社よりさらに安いサービスが出てきたとき、囲い込みや乗り換えコストの影響ですぐに移行できないことは、ユーザーにとって大きなストレスになる。つまりahamoに追随する以上は、他社も囲い込みや乗り換えコストを撤廃せざるを得なくなるだろう。

ahamoは今度こそ「競争の起爆剤」になる

 ahamoが発表された翌日には、MVNOの草分け的存在である日本通信が「ドコモへの対抗」として、1980円で16GB(20GBに増量予定)の新料金プランを発表。同日には総務省の武田良太大臣が記者会見で「公平な競争環境に導く大きなきっかけだ」と、ahamoの登場を評価した。

 NTTドコモの井伊基之社長はahamoの発表会で、シェアが下がり続ける現状に対し「3番手と言われないようにしていきたい」としており、競合他社に大きなプレッシャーを与えるのは間違いないだろう。

 携帯業界では、新規契約者が増える春商戦が間もなくスタートする。今後はそこに向けた競争も激化するのではないだろうか。

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