広島県呉市の谷本誠一市議がマスク着用の要請を拒否して旅客機を降ろされ、旅客機の出発が１時間以上遅れた問題で、市議会の政治倫理審査会（政倫審）が１７日、開かれた。谷本市議は「結果的に出発が遅れたのは申し訳ないが、着用を強制された私も被害者。責任は航空会社にある」などとこれまでの主張を繰り返した。
政倫審の委員は「乗客への影響や不安は考えたか」「市民から多くの苦情があり、市の代表としてどう思うか」などと質問。谷本市議は「マスク着用は健康に害があり、強制は人権侵害。マスク問題を表に出す大義があり、遅れるのは仕方ない」「私の主張に賛同する人もいる」などと反論した。
市議会事務局によると、谷本市議に対する苦情や意見は、１６日までに約１６７０件寄せられた。事務局が内容を聞き取った１０５７件のうち、議員辞職の要求や「迷惑な行動」などとする苦情は９割以上を占めたという。
政倫審終了後、委員長の林田浩秋市議は「思想や信条は議員それぞれだが、他人に迷惑をかける議員が政治家をしていていいのか」と話した。
次回は２２日に開かれる予定。
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