2022年09月11日07時04分
ローカル鉄道の見直しに向けた議論が全国各地で始まるのに先駆け、JR北海道が「単独では維持困難」だとする8区間の扱いをめぐり、関係自治体を交えた調整が本格化する。経営が厳しい同社は、2023年度までに「抜本的な改善方策」を示すよう国から監督命令を受けている。JR北は地元負担を前提に鉄路存続を目指すが、財政が苦しい沿線自治体にとって受け入れは容易ではなく、費用分担の在り方が焦点となる。
積雪寒冷地で車両の維持コストがかかるJR北は民営化当初から経営が不安視された。さらに人口減少や道路整備進展で鉄道利用者は減少。単独では維持困難とされた13区間のうち、同社が廃止の方針を打ち出した5区間すべてがバス転換する方向で固まり、宗谷線の名寄―稚内間や根室線の釧路―根室間など8区間の扱いが残された。
JR北は沿線自治体と観光列車の運行などで集客に努めてきたが、コロナ禍もあり、収支改善は見通せない。8区間の21年度の赤字額は141億円で過去最大となった。新車両の導入などで支援してきた道の関係者は「利用促進を目に見える形で経営改善につなげることは難しい」と頭を抱えつつ、単なる赤字補填(ほてん)は行わない考えを崩さない。沿線自治体関係者らも「財政負担は厳しい」と語る。
ローカル線の在り方を話し合ってきた国土交通省の有識者検討会は7月、自治体が鉄道施設を保有して事業者が運行する「上下分離方式」の活用などを選択肢として示した。しかし、自治体財政の状況が厳しいといった理由で、上下分離は「現実的ではない」(道関係者)との見方も出ている。JR北の綿貫泰之社長は「持続可能な仕組みづくりに注力したい」と話すが、打開策を見つけられるか不透明だ。
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