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【ドーハ時事】サッカーワールドカップ(W杯)カタール大会には日本から多くのサポーターが訪れている。新型コロナウイルス感染拡大以降、規制のない初めての大規模スポーツイベント。かつての日常を取り戻したかのようにマスクを着けずに「声出し応援」を楽しむ一方、一部からは慎重な意見も聞かれた。
競技場全体からこだまする「ニッポン」コール。マスク姿の観客はほとんど見当たらず、目の前の熱戦に歓喜や落胆の表情を浮かべていた。マスク着用を求め、声出し可能エリアが限定されるJリーグの試合では、見られない光景だ。
カタール大会は先月20日(現地時間)に開幕。大会期間中は120万人以上の来訪が見込まれている。国際サッカー連盟(FIFA)によると、1次リーグ初戦16試合の観客数は、平均で収容人数の94%に達した。
コロナ下でのスポーツイベント。2021年の東京五輪は大半の会場が無観客だった。22年の北京冬季五輪は招待客の観戦が認められたが、関係者と外部の接触は遮断された。
W杯前は、カタールでも厳しい感染対策が施されていた。入国時にはPCR検査などによる陰性証明が必要。入国後も商業施設などでたびたび提示が求められ、公共交通機関ではマスクの着用が義務付けられていた。
だが開幕を目前に控えた10月下旬以降、カタール政府は規制を大幅に緩和。マスクの着用義務は医療施設内に限り、入国前のPCR検査も不要とした。大会組織委員会の幹部は「このW杯は人々がコロナを克服し、通常の生活に戻れるようになった成功例の一つだ」と述べた。
カタールでは街中や交通機関などあらゆる場所で各国サポーターらが歌い、盛り上がる。声出し応援は気持ちの入り方が違うという東京都の大学4年の男性(22)。「日本では難しいかもしれないが、これがいい」と話す。八王子市の会社員男性(52)も「日本が厳しすぎるのかな」と漏らした。
一方、慎重な意見もある。品川区のコンサル業の男性(69)は「屋外なら気にならないが、地下鉄などでは必ずマスクを着ける」と気を引き締めた。マスクを巡り、多少の温度差が感じられるW杯となっている。 (C)時事通信社
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