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Monday, February 20, 2023

卒業式のマスク「原則非着用」 現場での子どもの「分断」懸念 茨城県教委が方針:東京新聞 TOKYO Web - 東京新聞

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マスクを着けて授業を受ける6年生の児童たち。卒業式では原則として外すことになった=笠間市立笠間小で

マスクを着けて授業を受ける6年生の児童たち。卒業式では原則として外すことになった=笠間市立笠間小で

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、茨城県内の教育現場でも続けられてきたマスクの着用。感染者の減少傾向などを受け、県教育委員会は市町村教委を通じ、三月の卒業式では原則として着用を求めないとの基本方針を示した。とはいえ、これまで通りマスクを着けたいと望む児童・生徒や保護者の声も想定される。学校側は「子どもたちの間にあつれきが起きないか」と頭を悩ませている。(出来田敬司)

 笠間市立笠間小学校六年一組の国語の授業。出席した二十九人が、リレー形式で一文ずつ教材の文章を読み上げていく。教諭を含め全員がマスク姿。声が多少くぐもって聞こえるが、流れはスムーズだ。コロナ禍も四年目に入り、児童たちは「もう慣れた」と口をそろえる。

 同校によると、今年の卒業生は百五十五人で、式には卒業生と教職員、保護者のみが出席する。来賓は招かない。卒業生はマスクを外すが、校歌を歌う時や別れの言葉を述べる「呼びかけ」の時など、声を出す場合は着用する。いずれも県教委や市教委の方針に沿った形だ。

 同校のコロナ対応は、他の教育現場と同様、感染状況や行政の方針に左右されてきた。二〇二〇年三月の全国一斉休校の後も数回、学級閉鎖や学年閉鎖を余儀なくされた。現在も体育の授業や登下校の時を除き、手指消毒や給食時の「黙食」とともに、マスク着用も続けられている。

 今回の方針転換について、石井健校長は「児童は長くマスク生活を続けており、式だけ着けないというのは抵抗があるかもしれない」と指摘。同校は教委の方針を踏まえ、マスクの非着用を強制することもしないが、その結果、マスクをするかしないかで子どもたちの間に分断を生んでしまう懸念もあるという。

 一方、児童たちは、卒業式でのマスク非着用をおおむね好意的に受け止める。六年の市毛翔さん(12)は「僕はそろそろ外して生活したい。着けていると声が通りにくいし」。六年の鈴木隆太さん(12)も「またコロナにかかる人が増えてしまうなら別だけど、最後ぐらいはないほうがいいかも」と話した。

 三月十七日の卒業式まであと一カ月弱。同校は予行演習をし、マスクを着用しないことに伴う問題点を洗い出す方針だ。ただ、石井校長は「再び感染が拡大する恐れもある」とも。その場合、教委の方針が変わらないとも言い切れないとして、感染状況の先行きを注視している。

 卒業式でのマスク着用を巡っては、永岡桂子文部科学相(衆院茨城7区)が今月二日、家庭の判断で外すことも可能と国会で答弁したが、その日のうちに「決まっていない」と軌道修正。今月十日になって、非着用を基本とするとの方針を各地の教委に通知したと発表した経緯がある。

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