この記事は、ベストセラーとなった『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』の著者で、ニューヨーク大学スターン経営大学院の経営学者であるスコット・ギャロウェイによる連載「デジタル経済の先にあるもの」です。月に2回お届けしています。
毎年、私たちは昨年を振り返り、今年の予測を立てる。大半の年は予想が外れるよりも当たるほうが多い。だが外れることも必ずある。もし10個の予測がすべて的中したら、それは予測というより、当然のことを口にしたまでだ。予測の良し悪しは、その予測が対象について何を明らかにするか、馴染みのトピックをどう捉え、または捉え直すか、そして生産的な対話を促すかどうかで決まる。
以下は、2023年の予測と結果、続いて2024年の予測である。
米国のインフレ率が2.5%を下回る
1年前、ブルームバーグの経済モデルは景気後退の確率を100%と計算した※1。我々は、インフレが上昇したときと同じ速度で低下すると予想した。私たちのテーゼは単純だった。「世界が災難を予測してもそれは現実化しない。なぜなら私たちがそれを防ぐための努力を惜しまないから」。これを「Y2K理論」※2と呼ぶ。
考えるまでもないだろう。ダートマス大学の経済学者ダニー・ブランチフラワー教授は、適切に運営されている現代経済は持続的なインフレを経験しないことを強調している。インフレは言わば自然治癒するのだ(物価高が需要を抑え、それが価格を下げる)。加えて、サプライチェーンの混乱は解消されつつあり、ウォーレン上院議員らが低金利維持の圧力をかけても無視することに喜びを覚えるタフなFRB議長もいる。
最後に、大方のテクノロジーと同様、AIはデフレをもたらすと考えている。企業がより低コストで多くを処理するのを助けるからだ。わずか1年余りの間に、インフレ率は9%から3%に低下した。この下落傾向は今後も続くだろう。「タイム」誌が選ぶ「今年の人」はテイラー・スウィフトだったが、最も重要な人物はパウエル議長だった。
住宅販売ブーム
地殻変動が起きると、本震に続いて周辺地域で余震が起きる。過去2年間における地殻変動といえば「金利変動」だ。金利は米国史上、いつの時代よりも速く上昇した。この戦いが(ほぼ)終結したように見えるいま、地殻は再び調整されつつある。先月、FRBは2024年内に利下げすることを示唆した※3。
私たちは一連の余震に見舞われることになるが、最大の衝撃は住宅市場で起きるだろう。この40年間で住宅価格は倍増したものの、家計所得はわずか20%しか上昇していない。だが、2024年には住宅販売量が急増するはずだ。
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PROFILE
社員の80%を解雇した後でも、ツイッターは依然としてお金のかかる趣味に違いなく、広告主を遠ざけ続けている。加えて買収資金に充てた負債の何年も続く支払いに直面している。イーロンの野望はSNSよりも大きく、2024年には、不幸を収益化するアレックス・ジョーンズのような連中に発言の場を与えるよりも、テスラとスペースXを優先するはずだ。なお、これらは言論の自由とは何も関係もない。
からの記事と詳細 ( 2024年の大胆予想「イーロン・マスクはツイッターの支配権を失うだろう」 | スコット・ギャロウェイ「デジタル経済 ... - courrier.jp )
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