ロンドン(CNN) 米起業家イーロン・マスク氏が創業した人工知能(AI)開発企業「xAI」は26日、シリーズB資金調達ラウンドでセコイア・キャピタル、アンドリーセン・ホロウィッツなどの米ベンチャーキャピタルや、サウジアラビアのアルワリード・ビン・タラール王子から60億ドル(約9400億円)を調達したと発表した。評価額は240億ドルに達した。
昨年7月にxAIを設立したマスク氏は27日、X(旧ツイッター)で「今後数週間で発表することがある」と投稿。今回の資金を調達する前の評価額は180億ドルだったとも述べた。
xAIは、新たな資金を「最初の製品を市場に投入し、高度なインフラを構築し、将来のテクノロジーの研究開発を加速させる」ために使うと述べている。
この資金調達により、同社は人気のチャットボット「ChatGPT(チャットGPT)」を開発したオープンAIの競合になる可能性が出てきた。マスク氏はオープンAIの共同創業者だが、会社の方向性に関する意見の相違もあり、6年前に会長を退いた。
xAIは昨年11月、マスク氏が所有するXで一部の有料ユーザー向けに、AIを搭載したチャットボット「Grok(グロック)」を開発していると発表した。同氏は当時、グロックはサイト上の情報に「リアルタイムにアクセス」することでトレーニングされていると説明。同社はその後、長い文脈と画像の機能を改善した「グロック1.5」を発表した。
AI製品を市場に投入することは、大手企業でさえ一筋縄ではいかない。
米グーグルは今月初め、生成AIを活用した検索ツールを導入した。このツールは検索結果を要約するため、ユーザーは複数のリンクをクリックする必要がなくなる。しかし虚偽の情報や誤解を招く情報を表示したことから批判を浴び、同社は事実と異なる結果の撤回を余儀なくされた。
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