ロイターの分析によると、現在ではそのチームの少なくとも5人が同社を去っている。テスラ社、マスク氏、そして昨年壇上にいた16人の幹部からのコメントは得られていない。
マスク氏は最近、上級管理職に宛てた電子メールで、最高クラス2人を含む数百人の従業員をレイオフ(一時解雇)する計画を示したと、新興メディア「ジ・インフォメーション」は報じている。メールには「この措置により、人員とコストの削減について、絶対的な強硬姿勢で臨む必要があることが明らかになるよう望んでいる」と書かれていた。
テスラの規制当局への提出書類によると、ザック・カークホーン最高財務責任者(CFO)は守秘義務契約を結んで辞任し、ドリュー・バグリーノ前最高バッテリー・エンジニアも先月の大量レイオフに伴って社を去った。バグリーノ氏はこの時、1億8100万ドル相当のテスラ株を売却した。
充電部門を率いたレベッカ・ティヌッチ氏とチームの大半は、今週解雇された。同氏は1年前、投資家デーの壇上にいた2人の女性のうちの1人だ。
パワートレイン・エンジニアリング担当バイスプレジデントだったコリン・キャンベル氏も去った。同氏も壇上にいた1人だ。
デラウェア大学のワインバーグ・コーポレートガバナンス・センターを創設したディレクター、チャールズ・エルソン氏は、これほど多くの経営幹部が去ったとなれば、テスラの取締役会が監視すべき問題だと指摘。「非常に短期間で大勢の離職者が出たことは、リーダーシップの取り方に問題があることを示している。これほど素早く、これほど多くの人々を失うのはおかしい」と述べた。
<戦略の転換>
テスラの収益と株価が下落する中、マスク氏は同社への支配力をさらに強めている。そのことの方が、幹部の入れ替わりよりも大切だと言う投資家もいる。
「イーロンがいなくてこれだけ入れ替わりが激しいのなら、大変なことだ。だがイーロンがいる限り、人材の才能を引き出して前進し続けるだろう。つまり全ては、イーロンが残っているかどうかだ」。ディープウォーター・アセット・マネジメントのマネージング・パートナーでテスラに投資しているジーン・マンスター氏はそう語った。
マスク氏は、販売台数の減少や競争激化に対応するため、大幅な戦略転換を示唆している。この変更により、中核的な位置から外れる幹部も出てくるかもしれない。
マスク氏は4月、投資家に対し、テスラの未来は従来の自動車製造ではなく、人工知能(AI)と完全自動運転車「ロボタクシー」にあると語った。
実際に行動も起こしている。マスク氏は従業員の10%削減を命じ、新しい低価格車ラインの計画を廃止するとともに、既存モデルを改良して低価格車を開発する方針に転換した。また、年間販売台数が300万台に達するまで新工場の建設を一時停止すると発表した。
データ分析・アドバイザリー会社エスカレントのバイスプレジデント、K.C.ボイス氏は大量の人員解雇について「テスラの根本はAI企業だという話を受け入れるのであれば、心配する必要はないかもしれない。完全な自動運転化とロボタクシーという約束を実現するために、事業の規模や人員を正しく調整するという考え方に合致している」と指摘した。
昨年の投資家デーの壇上にいなかった幹部も、ここ数週間で何人か離職している。
一部のアナリストは、テスラが直面している課題を考えると「経営陣」が存在することこそが非常に大事だとみている。ウェドブッシュ証券のアナリスト、ダン・アイブス氏は「テスラがカテゴリー5(最強)のハリケーンに見舞われている今、マスク氏の後ろに強力な戦力が控えていることは重要だ」と語った。
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