広告収入4割減、規制当局への提出書類で明らかに
米起業家のイーロン・マスク氏は、フランス南部カンヌで開かれた国際広告祭で登壇し、X(旧ツイッター)への広告出稿を呼びかけた。同氏は2023年11月、Xへの広告出稿から撤退すると表明した広告主に対し「くそくらえ」と発言していた。暴言から一転、ソフトな口調で当時の発言の趣旨を釈明した。
マスク氏、広告主への口撃を撤回
米CNBCや米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)などの米メディアによると、マスク氏は、広告世界最大手、英WPPのマーク・リードCEO(最高経営責任者)と共に登壇した。マスク氏はリード氏の質問に対し、7カ月前の発言は特定の広告主を対象としたものではなく、言論の自由に関する一般的な議論の文脈で出たものだ、と説明した。
同氏は「幅広い考えを持つ人々が自分の意見を表明できる、グローバルな言論の自由の場を持つことが重要と考えている」とし、「金銭のために検閲されることに同意するよりも、言論の自由を支持する。これが正しい道徳的判断だと思う」と付け加えた。
CNBCによると、23年、米アップルや米IBM、米ウォルト・ディズニー、ソニーグループなどのグローバル企業がXへの出稿を取りやめた。マスク氏による物議を醸す発言や、自社広告がヘイトスピーチ(憎悪表現)などのコンテンツとともに
加えて、同氏は反ユダヤ主義的ととられかねない自身の投稿に端を発する広告主の対応も批判した。同氏はCNBCのアンドリュー・ロス・ソーキン氏とのインタビューで、広告主に対し「広告するな」とも述べていた。「もし誰かが広告で私を脅迫しようとしたら? 金で脅迫しようとしたら? くそくらえだ」と発言していた。
しかし今回のイベントでは、こうした口撃を撤回した。その上で、「もちろん、広告主には自社ブランドと親和性のあるコンテンツの隣に広告を表示する権利がある。しかし、プラットフォーム上に自分たちが反対するコンテンツが一切存在してはならないと主張することは、適切ではない」(マスク氏)
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