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Friday, August 28, 2020

“江戸前”の粋を心ゆくまで召し上がれ。『おいしい浮世絵展』(クロワッサンオンライン) - Yahoo!ニュース

寿司に天ぷら、うなぎに蕎麦。眺めるほどにおなかがすいてきそうな、見た目に“おいしい”浮世絵がずらりと並ぶ本展。 「絵師や流派、美人画や大首絵といったジャンルなど既存の切り口ではなく、“食べ物”を焦点として浮世絵を切り取るというのは、私たちにとっても新たな試みでした。その結果、食を通して江戸の人々の生活がつぶさに見えてきた。“食べ物画”は、いわば江戸時代の風俗ルポといえるかもしれません」と語るのは、本展を監修した一般財団法人北斎館の館長、安村敏信さん。 葛飾北斎や喜多川歌麿、歌川国芳らの作品のなかでも食材や食べるシーンが描かれた浮世絵だけを集め、江戸時代における季節と食との関わり、流行食、名店、旅における名物といった4つの章に分けて展示。そこには、夏のうなぎ、秋の十五夜とお団子など、今も受け継がれる風習や料理も数多く見られ、これが200年以上前に描かれた風景ということを忘れそうなほど親近感が湧く。 「屋台が登場したのも、蕎麦を細く切って食べるようになったのも江戸時代から。屋台の天ぷらやうなぎは一個一串単位で食べられ、庶民にも手が届く人気の味だったこともあり、これらを食べる美人画や蕎麦を食す町人の姿などが描かれたのでしょうね。こうして見ると、現代の定番の和食は、江戸末期に成立した料理が多いことがうかがえます」 会場内には、屋台の成り立ちや当時の屋台の復元模型も展示されていて、威勢のいい棒手振りの声が聞こえてきそうだ。また、季節感のある食事とともに風情のある暮らしが描かれた団扇絵も見どころのひとつ。 「本来は日用品として使い捨てられていたものが、団扇として製品化されなかったことで現代まで残された。そういう意味で貴重だといえます」 見ているだけで元気が出る、江戸の名絵師が手がけた現代にも通じる食生活は、実に豊かで活気にあふれている。ぜひ、じっくりと味わいたい。

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August 27, 2020 at 06:05PM
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