第5世代通信規格「5G」などの営業秘密が持ち出された事件で、不正競争防止法違反容疑で逮捕された楽天モバイル社員、合場(あいば)邦章容疑者(45)=横浜市鶴見区=が勤務していたソフトバンクから不正に取得した情報は、約170ファイルに上っていたことが捜査関係者への取材で判明した。転職直前に約30回にわたって持ち出しており、警視庁生活経済課は計画的に取得したとみて調べる。
合場容疑者はソフトバンクの社員だった2019年12月31日、自宅から私用のパソコンで同社のサーバーに接続し、5Gを含む営業秘密が入ったファイルを自分宛てのメールに添付したとして逮捕された。翌日付で競合相手の楽天モバイルに転職していた。
捜査関係者によると、同課が楽天モバイルや合場容疑者の自宅から押収したパソコンを解析したところ、転職直前の19年11月下旬~12月下旬に約30回にわたって約170のファイルを持ち出したとみられる痕跡が見つかった。ソフトバンクが5Gや4Gの基地局を設置してきたマンションや私有地などの場所が含まれていたとみられ、同課はこうした情報がどのように使われたのかを捜査している。【柿崎誠】
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