コロナ禍で、外出時に「マスク」をするのが当たり前のようになりました。冬場は風邪やインフルエンザの予防のためにも、マスクは効果的です。とはいえ、せっかくマスクをして外出しても、正しく着けていない人を今でも見かけます。その代表が、顎にマスクをかける「顎マスク」の人です。ネット上には「顎にマスクをかけるとマスクにウイルスが付着し、再びマスクをすることで直接、ウイルスが口に入り、病気になるリスクが上がるのではないか」という声もあります。 【画像】「鼻出しマスク」と望ましいマスクの着け方 顎マスクをした後にマスクをすると、病気に感染するリスクは上がるのでしょうか。内科医の市原由美江さんに聞きました。
ノロウイルスも空気中に
Q.顎マスクをすると、肌からウイルスなどが付着するというのは本当ですか。そうであるならば、外面に露出している肌にはウイルスなどが付着しているということでしょうか。 市原さん「本当です。空気中に漂うウイルスや細菌は顎などの肌にも付着しています。そのため、マスクを顎にずらすと、マスクの内側にその病原体が付着してしまいます。再びマスクを口に装着したとき、ウイルスや細菌が口から入り、病気に感染するリスクが高くなってしまいます」 Q.顎にマスクをかけることで、例えば、冬場、どのような病気に感染するリスクが生じますか。 市原さん「寒くなると、風邪やインフルエンザにかかる人が増えます。もちろん、こうした細菌やウイルスも空気中に多く漂うので、顎にマスクをかけ、再び口に装着すると、これらの病気に感染するリスクが生じます。また、冬に多いノロウイルスも空気中を漂います。肌に付着していることもあるので、こちらも正しくマスクを装着しないと感染のリスクが上がります。季節に関係なく、新型コロナへの感染リスクも高まります」 Q.例えば、職場で電話をするときや飲み物を飲むとき、正しく装着していたマスクを一時的に顎にずらすことがあります。短時間、マスクをずらすことも避けた方がよいのでしょうか。 市原さん「マスクをずらすことの影響は時間の問題ではありません。たとえ、短時間であったとしても、顎にマスクをずらし、再び口に装着すれば、病気に感染するリスクは上がります。顎マスクは避けるべきですし、一度、顎マスクをした場合はマスクを戻さずに新しいマスクと交換すべきです」 Q.コロナ禍以前には、芸能人が顎マスク姿を披露することもありました。日常的にマスクを必要としない社会環境になったとしても、好きな芸能人が顎マスク姿を披露しているからといって、それをまねすることは避けた方がよいのでしょうか。 市原さん「芸能人の顎マスク姿をまねすることは避けた方がよいです。ずっと、顎マスクだけをしているつもりでいても、何らかの拍子に口に装着してしまい、病原菌を吸い込む可能性があるからです」 Q.改めて、マスクの正しい使い方を教えてください。 市原さん「マスクをする目的は風邪などの感染症を予防することです。鼻や喉の粘膜から病原体が侵入して感染するので、その通り道をふさぐ意味があります。また、マスクをすることで鼻や喉の湿度が保たれるため、感染予防の効果が期待できます。他には、風邪をひいている人が他人に移さないためのエチケットとしてマスクを使用します。 これらの観点から、マスクを使用するときは鼻と口をしっかり覆って、隙間がないようにすることが大切です。マスクをずらしたら、新しいものに交換する、一度外した場合は再度着けず、新しいものに交換することです。また、マスクの表面にはウイルスなどが付着しているので、表面を触らないようにしましょう」
オトナンサー編集部
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