夏本番を前に、子どもたちの「脱マスク」に学校現場が苦慮している。熱中症を防ぐため、体育の授業や部活動、登下校時はマスクを外すよう呼びかけているが、新型コロナウイルス感染への不安などから着けたままにする子も多い。専門家からは、外さない子にも配慮しつつ、外す必要性を丁寧に説明すべきだとの指摘が出ている。
「皆さん、マスクを外しましょう」。16日、大阪市立大池小(生野区)の講堂で体育の授業が始まると、6年3組の千坂尚登教諭(34)が、自分のマスクを取りながら児童24人に呼びかけた。換気のために扉は全て開放。見学の児童2人以外は全員、マスクを外してマット運動を行った。
児童(12)は「運動する時にマスクは息苦しい。先生が外してくれると私も、と思える」と笑顔だった。
教員が率先してマスクを外す取り組みは、市教育委員会が13日に各小中学校などに通知した。児童や生徒からは「先生が着けていると外しにくい」との声が寄せられていたといい、市教委の担当者は「『マスクを着けなくても大丈夫』というメッセージが伝われば」と語った。
「脱マスク」が進む背景には、暑さが本格化し、コロナ感染よりも熱中症で体調を崩すリスクが高まっていることがある。
大阪市中央区の大阪女学院中学・高校では2日、体育大会中に生徒ら30人が体調不良を訴え、救急搬送された。学校側はマスクを外すよう促していたが、多い時には生徒の4割ほどが着けたままだった。
神戸市東灘区の私立高羽六甲アイランド小学校でも8日、体育の授業を受けた児童30人中12人が体調不良となり、うち6人が病院に運ばれた。学校側は「マスクを外してもいい」と伝えていたが、30人の半数が着用していたという。
文部科学省は以前から、気温や湿度が高い日はマスクを外すよう求めてきた。今冬に流行が始まったオミクロン株の重症化率が低いことも踏まえ、5月24日には全国の教育委員会に対し、体育の授業などでマスク着用は必要ないとの通知を発出。熱中症疑いの集団搬送事例が相次いだことを受け、6月10日に重ねて通知した。
からの記事と詳細 ( 暑さが本格化、教師が率先して「脱マスク」…それでも徹底が難しい「要因」 - 読売新聞オンライン )
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