【シリコンバレー=奥平和行】米グーグルの持ち株会社、米アルファベットが26日に発表した2022年4~6月期決算は、売上高が前年同期比13%増の696億8500万ドル(約9兆5300億円)、純利益が同14%減の160億200万ドルだった。景気の減速懸念が強まっていることを背景に主力のインターネット広告事業の成長が鈍化し、2四半期連続の減益となった。
1株利益は1.21ドル(前年同期は1.36ドル)だった。売上高、1株利益ともに市場予想に届かなかったが、26日の米株式市場の時間外取引で株価は一時、同日終値より4%超上昇した。
主力のネット広告事業の売上高は前年同期比12%増の562億8800万ドルだった。このうち、動画共有サービス、ユーチューブ関連は5%増の73億4000万ドルになった。
企業が広告費を見直す傾向が強まり、アルファベットと同様にネット広告を主力とする米ツイッターの4~6月期の売上高は前年同期を下回った。アルファベットはネット検索の結果に関係する内容を表示する検索連動型広告が強く、効果が高いことから企業が支出を絞り込む影響が小さかったもようだ。
26日の決算説明会で、フィリップ・シンドラー最高事業責任者は「旅行や小売りの分野の広告が好調で、夏の旅行先の検索回数は前年同期の2倍に増えた」と説明した。
ただ、全社の売上高の前年同期増加率は過去8四半期で最低になった。ユーチューブなどで売上高の前年同期比増加率が22年1~3月期を下回ったことについて、ルース・ポラット最高財務責任者(CFO)は「サプライチェーン(供給網)や在庫などの問題から、一部企業が広告出稿を手控えている」と述べた。
また、株価低迷などの影響で有価証券の売却損や評価損が拡大し、業績の足を引っ張った。ドル高の影響も受け、ポラットCFOは「為替は7~9月期にさらに強い逆風になる」と説明している。採用については22年末までペースを落とすことを決めており、「23年に採用活動を盛んにする」(ポラットCFO)としている。
スンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)は説明会で「事業の焦点を絞る」と強調した。「企業が成長モードに入っているときは再調整が難しいが、現在のような時期はその好機になる」と指摘し、成長を見込む人工知能(AI)やクラウドコンピューティングなどに経営資源を集中させる考えを示した。
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