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Saturday, July 9, 2022

今や「顔パンツ」若者に欠かせなくなったマスク 体育や登下校…熱中症予防でも「今さら外せない」 - 神戸新聞NEXT

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 熱中症の危険が高まる夏場を迎え、文部科学省や兵庫県教育委員会が、体育の授業中や登下校時はマスクを外すよう何度も呼びかけている。ただ各地の学校を訪ねると、暑い運動場でも外している生徒は少数派のようだ。今や「顔パンツ」とも呼ばれ、若者に定着しつつあるマスク。生徒からは「いまさら外せと言われても」と戸惑いの声が上がる。(古根川淳也)

■外してもいい、と言われても

 「熱中症になる恐れがあるから、マスクを外してもいいぞ」

 6月、東播磨地域の公立中学校。3時間目の体育の授業前に、男性教師が強い口調で呼びかけた。だが、男子生徒32人のうち、マスクを外したのは8人。2人はあごにずらし、残り22人はマスク姿のまま体育を続けた。

 気象庁の観測点では、この日午前11時の気温は23.9度。晴天だが湿度が低く、暑さを感じないこともあってか、教師が計3回マスクを外すよう促したものの、目立った変化はなかった。

 同校によると、ほかのクラスの体育や運動部でも状況は同じ。長距離走などでは外させるが、それ以外は生徒の判断に委ねるしかなく、対応に苦慮しているという。

 1年の女子生徒は「小学4年の時からマスクを着けろと教えられ、これが日常になっている。急に外せと言われても」と当惑気味。別の女子生徒も「ハンカチを持って来るのと一緒で、マスクはマナー。体育の授業でも外す方が少数派」と話した。

■「心の安全」

 生徒はなぜ、暑い屋外でもマスクを外したがらないのか。「だてマスク」を着用する心理について研究した精神科医の田中速(はやし)・東京成徳大応用心理学部教授は「自分の情報を第三者に開示するのはよくないという風潮の中、マスクは容姿について外部の評価を防ぐ効果がある。定着して当然ではないか」と指摘する。

 もともとマスクには、対人不安に対して心の安全を確保する心理的な働きがあるとされる。思春期の子どもたちにとっては、他人の視線から自分を守るツールになっている可能性があるようだ。

■熱中症を防ぐためには

 一方、熱中症に詳しい服部益治・兵庫医科大特別招聘(しょうへい)教授は「最近の研究で、マスクをしていても深部体温に影響はなく、熱中症の直接の原因にならないことが分かってきた」と言う。

 息がこもってのどの乾きを感じにくくなり、水分補給が遅れることが熱中症の原因になっているとして「30分に1回はマスクを外し、こまめに水分を取ることが重要。運動で汗をかき、筋肉を増やすことで、熱中症を防ぐ体をつくることになる」としている。

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