今年は最低賃金(時給)が全国加重平均で31円引き上げられ、961円となる見通しとなった。引き上げ額は過去最大だ。ただ、こうした引き上げが賃金全体にどこまで波及するかは見方が分かれる。川口大司・東大教授らの研究では、波及効果は最低賃金より15%ほど高い賃金で働く人までに限られるとしており、賃金の底上げ効果がどこまであるかは不透明だ。
最低賃金の大幅引き上げは働き手には朗報だが、英国やフランスなどは時給1500円前後に引き上げており、日本は他の先進国に比べると低水準だ。
「最低賃金を上げるなら、手取り月20万円ほどをもらえるように、がつんと上げて欲しい」
東京都内に住む鈴木真貴さん(49)はそう話す。出版関係の会社でアルバイトとして働く。約10年前に入社して以来、時給は都の最低賃金に張り付いたまま。今は1041円だ。
週6日働き、月収は手取りで…
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