橘ジュンの人生相談
Q
大学3年の女子学生。高校生から大学生へ環境が大きく変わるタイミングで新型コロナウイルスの流行が始まった年代です。このため、オンライン授業や出会う人とのマスク越しでの会話が当たり前の学生生活しか知りません。
ところが次第に元の生活に戻っていく過程で、対面授業のための通学や、マスクをしている姿しか知らない人たちの前でマスクを外す瞬間がとても苦痛になってしまいました。コロナ禍前には当たり前だったことに適応できない自分に落ち込んでしまいます。
そろそろ進路選択を迫られる時期ですが、就職活動にも積極的になれず、活発に活動している友人たちの姿を見るとまた落ち込みます。どうしたら前を向いて過ごせるようになるのでしょうか?
A
声をありがとうございます。コロナ禍前には当たり前だったことに適応できない自分に落ち込んでしまうとのこと。10代や20代の生きづらさを抱えている女の子の相談を受けている私たちの元にも、そういった声は届いています。
交流サイト(SNS)上でも「マスクが消えたら私もこの世から消えてしまう」「マスクを人前で外すことは下着を脱ぐのと同じ」といったつぶやきや、「マスク依存症」「ノーマスク恐怖症」との言葉を目にします。マスク着用は感染対策になるのはもちろん、人目を気にせず活発になれたり、適度に人との距離を取ることができる安心感を得られたりするのでしょう。
今まで隠していた部分をさらけ出さなければと感じてしまうと、緊張するし、抵抗があって当たり前。同じような悩みを抱えている人はたくさんいます。だからあまり気にしなくて大丈夫。
実は私もマスクなしの生活が不安です。それでも「楽しみを見つけなければ」と、最近はメークの時にはマスクにつかないリップを選んで、いつマスクを外してもいいように構えています。あとは外出中、誰もいない場所ではマスクを外して歩いたり、家の中でも鏡の前で笑顔を作ったり、表情の練習をしたりしています。そういった小さなことから試してみるのはどうでしょう。
少し慣れてきたらマスクを外す時間をちょっとずつ延ばして、意識して笑顔を作るようにしていけば、次第に気持ちも前向きになって活発に行動できるようになるかもしれません。
あまり無理せず、マスクがあってもなくても、まずは顔を上げて笑顔を作ることから始めてみませんか。一緒に頑張りましょうね。
回答者
橘ジュン 昭和46年生まれ。NPO法人「BOND プロジェクト」代表。フリーマガジン「VOICES(ボイス)」編集長。街頭パトロールやSNSなどを通じて少女たちの悩みを聞き、支援している。主な著書に「最下層女子校生 無関心社会の罪」(小学館新書)。
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