「イーロン・マスク氏は人員削減の方法を全く理解していない。ただ人員を切っているだけだ」。人材コンサルティング企業OperationsIncでプレジデント兼最高経営責任者(CEO)を務めるデヴィッド・ルイス氏は、マスク氏が進めるTwitter社のレイオフ(一時的な整理解雇)について、こう批判する。
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Twitter社のレイオフがもたらした影響
マスク氏は既存の文化や従業員の貢献度を理解したり、結び付けたりしようとしていないと、ルイス氏は評価する。「マスク氏は人員削減を数字のゲームとして見ている。この状況を見る限り、Twitter社に将来の展望を見いだすことはできない」とルイス氏は指摘。「人材マネジメントのリーダーは、Twitter社で起きていることの最新情報を知るたびに疑問を抱き続けるはずだ」と語る。
「CEOには企業文化や労働時間を変える裁量権がある。ただしコンプライアンスの問題も考慮しなければならない」。法律事務所Sanford Heisler Sharpのパロアルトオフィスとサンフランシスコオフィスで共同経営パートナーを務めるチャオジン・エラ・ジェン氏は、こう語る。ジェン氏によると、Twitter社は長時間労働とは別に、「ハードコアな労働文化」とは何かを定義する必要がある。
長時間労働を義務付けることは問題になりかねない。Twitter社が医師の勧告を無視して長時間労働を従業員に要求するとしたら「問題になる」とジェン氏は指摘する。労働条件の変更は通常、最も弱い立場の人々に不利益をもたらす。例えば育児中の従業員や障害を持つ従業員などに悪影響が及ぶ可能性がある。同氏は「障害のある従業員には、障害者差別の訴えを起こす権利がある」と説明する。
Twitter社は請負業者との関係も見直す必要がある。Twitter社におけるマネジメント手法の変化の影響が請負業者にまで及び、Twitter社がより厳しい労働者管理をするようになった場合、「請負業者はTwitter社の従業員だと見なされる可能性が出てくる」とジェン氏は指摘。つまりTwitter社は請負業者に対しても、関連する労働法を順守しなければならなくなると同氏は説明する。
スティーブンス工科大学(Stevens Institute of Technology)のビジネススクールで教授を務め、リーダーシップについて研究するピーター・ドミニク氏は、「リーダーは『明確なビジョンと期待』を設定すべきだ」と主張する。ビジョンを変更した場合の移行期間には、リーダーは「従業員が『評価され、感謝されている』と感じられる機会を多く見つけ出すべきだ」というのが、ドミニク氏の考えだ。
Twitter社で起きている変化には「高いレベルの不確実性」が伴う。そのため従業員が評価され、感謝されていると感じられる場面が必要だという。「『評価されている』と従業員が感じられる雰囲気を作ることが重要だ」とドミニク氏は強調する。
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