大阪地裁で2021年10月に行われた同性婚訴訟の口頭弁論で、地裁側が開廷前、傍聴を希望する人に対し、多様性を象徴するレインボー(虹)色のマスクから白色のマスクに着け替えるよう要請していたことが19日、地裁への取材で分かった。地裁の担当者は取材に「裁判官の判断だった。訴訟の円滑な進行のため任意で協力をお願いした。入廷を断ったわけではない」と説明している。
大阪地裁によると、21年10月22日に行われた大阪訴訟の口頭弁論の開廷前、地裁職員が傍聴希望者に傍聴券を配布した際、虹色のマスクを着けていた人に対し、着け替えへの協力を依頼した。当時の担当裁判長は土井文美裁判官だった。22年6月に原告の請求を棄却し、同性婚を認めていない民法や戸籍法の諸規定を「合憲」とする判決を言い渡した。
原告側の支援団体「虹色ダイバーシティ」(大阪市)によると、支援者らは地裁職員から虹色のマスク着用は「(訴訟での原告側の)主張とみなされるので替えてほしい」と要請され、実際に着け替えて傍聴したという。
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