イーロン・マスク氏率いる米BMI(脳マシンインタフェース)企業Neuralinkは3月20日(現地時間)、公式X(こちらもマスク氏がオーナー)アカウントで、BCI(Brain-Computer Interface)埋め込み手術の最初の治験者へのインタビュー動画を公開した。
初公開になる治験者は29歳のノーラン・アーボー氏。約8年前にダイビング中に事故で背骨を損傷し、完全な四肢麻痺で肩から下が麻痺して動けない。チェスが好きで、事故後はiPadとマウススティックでプレイしたりしていたが、長時間はできなかったという。
BCI埋め込み後は、車椅子に座ってノートPCの画面に向かって「脳で」操作することでより楽にプレイできるようになったとアーボー氏は語る。
動画では、実際にチェスの駒が動いている様子も見られる。アーボー氏によると、手で実際に動かそうとするのではなく、カーソルが動くのをイメージすることでうまくチェスの駒を動かせるようになったという。
チェスの他、ターン制ストラテジーゲームの「シヴィライゼーション6」を長時間プレイできるようになって嬉しいという。四肢麻痺の人は座っている場合、数時間ごとに体勢を変えないとじょくそうになるので、以前は長時間プレイできなかったが、BCIによる“フォース”のような操作が可能になったことで、ベッドに横になったまま(iPadのバッテリーが切れるまで)8時間プレイできたとアーボー氏は語った。
アーボー氏は、「デバイスはまだ完璧ではない。これは研究の最終段階ではなく、やるべきことはまだたくさんある。でも、このデバイスは私の人生を変えてくれた。(中略)手術は簡単で、翌日には退院できた。認知機能に悪影響もない」と語った。
アーボー氏が手術を受けた日時は不明だが、マスク氏は1月29日に最初の治験者が順調に回復しているとポストした。
マスク氏はアーボー氏のインタビューのポストの引用ポストで「“テレパシー”のデモだ」と語った。
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