海外旅行に行きたい! でもなかなか長期休暇は取れないし費用もかかる......。それなら気分だけでも海外旅行を楽しんじゃおうと、国内で本格的な海外料理がいただけるお店をめぐることにしました。そこで訪れたのは、東京・下北沢にお店を構えるバインミー専門店「バインミーバーバー」。今回は、本場ベトナムで人気の屋台料理・バインミーをいただく"なんちゃってベトナム旅行"を提案します。
今回バインミーをいただきながら、お話をお聞きしたのは、バインミーバーバーの店長・多和勇雄さんとベトナム人のルーさんに、先月からバイトに入ったベトナム人のフェンさんの3人です。
日本人にとってのおにぎり! ベトナム人のソウルフード「バインミー」
──そもそも「バインミー」とは、どのようなメニューのことですか?
多和さん「ベトナム屋台料理のひとつです。フランスパンにレバーペースト、なます、ベトナムポークハム等の肉類を挟んだヘルシーなファストフードで、世界で最も美味しい屋台料理10選にも選ばれています」
──現地の方もよく食べているんでしょうか?
多和さん「もちろん! ベトナムは外食文化が盛んなので、ベトナムに行くと、現地の人が通勤や通学前にバインミー屋台に並ぶ行列が多く見られます。ベトナム人にとってのバインミーって、日本人にとっての"おにぎり"のような身近な食べ物なんです」
▲左:フェンさん 右:多和さん
フェンさん「朝ごはんに食べる人が多いですね。私も学生時代は毎朝食べていました」
多和さん「実際ベトナムのホーチミンに行った時は、バインミー屋台の多さに驚きました。日本のコンビニよりも多いんじゃないかな。50m歩けば、ひとつはあるという感じでしたよ」
フェンさん「値段も安くて、日本円にしてバインミーひとつで75円くらい。だから、家で食べるよりも屋台で食べた方が安いんですよね」
ベトナム人が絶賛する味の決め手は、秘伝のレバーペースト
▲ルーさん
店で一番人気の、具材全部乗せメニュー「バインミーバーバー」をいただきました。
▲一番人気のメニュー「バインミーバーバー」
バインミーで重要なのは、レバーペーストとナマス、フランスパンの3つだそうです。
▲こだわりが詰まった秘伝の味・レバーペースト
特にレバーペーストはほぼ一日かけて、多くの細かな作業を経て作っているそうです。店に食べに来たシェフから、「レシピを教えて欲しい」と言われたこともあるようですが、それは「企業秘密」なのだとか。
▲さっぱりとした味わいのナマス
大根と人参がたくさん入ったナマスは日本で一般的にいただくナマスのような酸っぱさはほとんどなく、サッパリとしています。お漬物やピクルスが苦手な人でも食べやすそうです。
▲上から時計回りに、チキンフレーク(ガー)、手づくりのゼラチンハム(ジョートゥー)、チャーシュー、ナマス
他の具材として、ベトナムでは主にお正月に食べるという手づくりの「ゼラチンハム・ジョートゥー」、食感や香ばしさを楽しむらしい「チキンフレーク・ガー」、旨味の詰まった豚肉の「チャーシュー」があり、それらを挟んだサンドイッチが「バインミーバーバー」。
具材を包むフランスパンも美味しさの重要な要素です。ボリューミーなのにペロリと食べられてしまうのは、このパンのおかげでしょう。
お好みで唐辛子とパクチーを抜きにすることも、大盛りにすることもできます。おいしいのはもちろん、手軽に野菜をたくさん食べられるのも大きな魅力。
おいしさの秘密は? ルーさんがお母さんから引き継いだ現地のレシピ
▲店長とフェンさんのイチオシはシンプルな卵のバインミー「バインミー・オプラ」。現地でも人気なメニューだそう
──こちらのレシピは現地のものですか?
ルーさん「はい。レシピは、ホーチミンシティでバインミー屋台を営んでいた母から引き継いだものです。引き継いだというよりも、ベトナムでは小さい頃から家のお手伝いをするのが当たり前なので、自然に覚えただけなんですが......中学になってからはお店に立って手伝いもしていたので、その時に覚えた味を再現しています。調味料は現地のものにこだわっているのも大きなポイントですね」
▲醤油もベトナムのもの。ベトナムなら一家に一本はストックがあるという「魚醤油」
多和さん「国内にもバインミー店はいくつかありますが、そのほとんどが日本向けにアレンジされたもので、現地オリジナルのバインミーを食べられるお店はほとんどないように思います。うちのお店に来てバインミーを食べたベトナムの人はみんな、『本場の味がするから懐かしい』と言うんですよ。実際に店に来るお客さんの3割はベトナムの方ですね」
ルーさん「ただバインミーと一口に言っても、ハノイ(北部)、ダナン(中部)、ホーチミン(南部)でそれぞれ味付けが全然違うんです。具材もレバーペースト、ナマス、フランスパン以外は自由! 僕はホーチミン出身なんで、この店の味付けはホーチミン流になります。ホーチミンと比べると、ダナンは超辛党、ハノイは薄味派ですね」
──なるほど。実際に現地を旅行するときは、土地ごとの味の違いを楽しむのも良さそうですね。
バインミーを食べて"なんちゃって旅気分"を味わおう
▲毎週食べに来るという常連さん。「学生時代、オーストラリアでよく食べていたよ」
多和さん「日本ではまだ知名度が低いバインミーですが、海外ではかなりポピュラーなメニューのひとつなんです。海外の方が、店の前を通りかかった際に『バインミーだ!』と立ち寄ってくれることがよくあります。ベトナムの味ではあるんですが、なんちゃって海外旅行を楽しみたいということであれば、海外の朝食として週末の朝などに楽しんでいただいてもいいかもしれませんね」
【取材協力】
バインミー専門店「バインミーバーバー」
東京都世田谷区北沢2丁目27-8 ハウハウス101
Facebook:banhmibaba.Japan
※この情報は、2020年1月時点のものです。最新情報をご確認の上、お出かけください
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January 13, 2020 at 06:39PM
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