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Monday, January 11, 2021

5G技術持ち出し容疑 ソフトバンク元社員を逮捕 退職翌日にライバル社転職 - 毎日新聞 - 毎日新聞

kuebacang.blogspot.com
警視庁=米田堅持撮影

 第5世代通信規格「5G」などに関する営業秘密を勤務先だった携帯電話大手ソフトバンクから不正に持ち出したとして、警視庁生活経済課は12日、楽天モバイル社員、合場(あいば)邦章容疑者(45)=横浜市鶴見区仲通3=を不正競争防止法違反(営業秘密の領得)容疑で逮捕した。5Gを巡っては携帯各社による顧客の獲得競争が激化しており、同課は持ち出された情報がどのように使われたのかを調べる。

 逮捕容疑は、ソフトバンクの社員だった2019年12月31日、自宅から私用のパソコンで同社のサーバーに接続し、5Gを含めた基地局の効率的な配置に関する営業秘密を含む技術情報が入ったファイルを自分にメール送信し、保存したとしている。合場容疑者は翌日付で、競争相手である楽天モバイルに転職していた。

 同課は認否を明らかにしていない。20年3月にソフトバンクから相談を受け、8月に楽天モバイルや自宅を家宅捜索して押収したパソコンなどを解析したところ、転職直前に複数回にわたって5Gに関する情報を持ち出した痕跡があったことが判明した。転職後に使っていた業務用パソコンからはソフトバンクから持ち出したとみられる情報が見つかったという。

 ソフトバンクによると、合場容疑者は04年7月に同社のグループ会社に入社した。通信ネットワーク設備の工事や維持を担う「線路主任技術者」の国家資格を取得し、5Gを含めた携帯電話の基地局設置などに携わっていた。19年11月下旬に楽天への転職を申し出た。退職後に合場容疑者から返却された社有のパソコンから技術情報を自分のメールアドレスに送った痕跡が見つかった。顧客などの個人情報は持ち出されていなかったという。

 5Gを巡っては、NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの携帯電話大手3社が20年3月にサービスをスタート。4月に携帯電話に本格参入した楽天モバイルも9月から5Gサービスを始めていた。

  ◇

 ソフトバンクは12日、「(営業秘密を)何らかの形で利用している可能性が高いと認識している」とし、楽天モバイルに対して営業秘密の利用停止と廃棄などを求める民事訴訟を提起する方針を明らかにした。合場容疑者への損害賠償請求も検討する。一方、楽天モバイルは「警察による調査には全面的に協力する」とのコメントを出した。

【柿崎誠、斎藤文太郎】

5G(ファイブジー)

 携帯電話など移動通信規格で最新の第5世代。第4世代(4G)の100倍の高速通信が可能で、対応するスマートフォンなどを使うと、4Gなら5分かかる2時間の映画のダウンロードが3秒に短縮できる。利用できるエリアが限られていることが課題で、携帯電話各社が基地局の整備を進めている。タイムラグなく多数が同時に接続することが可能なことから、自動運転による物流改革や過疎地への遠隔医療、人手不足や高齢化に対応するための無人農機など、社会インフラでの活用が見込まれている。

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