KDDIが、auの新料金プラン「povo」を発表した。オンライン契約専用で、月間データ通信量20GBを月額2480円(税別)を3月から提供する。昨年末にNTTドコモとソフトバンクが20GBプランを2980円で提供する(3月から)と発表していたのに対抗した形だ。菅義偉首相の肝いり政策に各社が応じたもので、ユーザーからは歓迎の声も上がるが、本当にお得なのか? そのカラクリを専門家に聞いてみた。
高すぎる日本のスマホデータ通信料は解決するのか?
菅首相の肝入りで、総務省が大手キャリアに値下げを迫ったことで始まった値下げ合戦。ドコモ、ソフトバンクに続き新料金プランを13日に発表したKDDIは、2社より500円安い「20GB2480円」で勝負に出た。ドコモやソフトバンクが1回5分間までの無料通話を付帯しているのに対し、KDDIは1回5分間までの無料通話を追加料金500円のオプションとすることで最安をアピールした格好だ。
モバイル研究家の小暮祐一氏は「最初に新料金プランを発表したドコモの『アハモ』は、よく練って出してきたなという感じ。20GBというデータ通信量はヘビーユーザーにとっては全く足りず、ライトユーザーにとっては多すぎる。総務省の値下げ要請を受け、あえて中途半端なところを狙ってきたのではないか」と分析する。
というのも3社ともに今回の新料金プランはオンライン契約専用で、ターゲットはこうした契約に手慣れた若いユーザーだ。だが、若いユーザーのデータ通信量はヘビーユーザーとライトユーザーに二極化し、料金を抑えたいユーザーは格安SIMへ流れている。結果として、今回の新プランに3社のユーザーが流れるのは限定的。できるだけ?傷口?を小さくして総務省の値下げ要請に応じたと見せるアピールではないかというわけだ。
懸念もあるという。
「新料金プランで用意される通信回線の品質が従来のものと全く同じなのか、これは使ってみなければ分からない。場合によっては通信の周波数帯域を絞ることも考えられる。周波数帯域とは、簡単に言えばスマホからネットのサーバーへつながるパイプのようなもので、これが絞られるとユーザー数によっては通信速度が遅くなることもあり得る」(小暮氏)
これについて、ソフトバンクは「ソフトバンクおよびワイモバイルと同じネットワーク、同じ品質」(ホームページから)と明言しているが、ドコモとKDDIは「同じ」とは明記していない。
3社の通信回線を借りている格安SIMでは周波数帯域が制限され、同じ通信速度にならないことは珍しくなく、新料金プランの通信回線がどうなのかは実際に使ってみるまで分からないのだ。
一方、KDDIの発表で新たな注目点もあった。ピザの具材のような「トッピング」と呼ばれる追加オプションだ。追加料金500円で1回5分間までの無料通話を提供するもので、ほかにも追加料金200円でデータ通信が24時間使い放題になるものも登場する。
「日本の料金体系は複雑で、みそ汁もサラダも付いた強制的な牛丼定食。海外の料金体系はシンプルで、まず牛丼を買い、必要ならオプションでみそ汁やサラダを付けられる。今回のKDDIのトッピング機能はまさに海外方式です」(小暮氏)
新料金プランには各社それぞれの思惑がありそうだが、小暮氏は「そもそもこれを?値下げ?と思ってはいけない。現在は通信容量が莫大に増えていて、今の1GBはかつての1GBほどの価値はない。もっと値下げできるはず」と厳しい目で注文をつけている。
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