
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、企業経営者などを狙い、怪しげな投資話を持ち掛けるケースが増えている。サージカルマスク、消毒液から電柱点検ビジネスまで、その商材はさまざまで注意が必要だ。(東京経済東京支社情報部 井出豪彦) 【この記事の画像を見る】 ● 米3M社製マスクの転売で 大もうけできるという投資話 都内で会社を経営するA氏は今年2月、「米3M社製のサージカルマスクを特別なルートで38億円分仕入れられる。さしあたり3Mに5%(1億9000万円)の手付金を払う必要があるが、それを出さないか」と誘われた。1億9000万円出せば、特別に3Mのマスクを原価に近い値段で入手できるため、医療業界への転売で大もうけできるのだという。 具体的に話を聞くと、米3M製マスクの輸入窓口は都内のK社という高機能塗料の販売会社で、そこから同じく都内のR社という2019年1月設立のスタートアップが仕入れることになっているらしい。A氏は弁護士の用意する資金管理口座にデポジットとして1億9000万円預ければいいという。 K社のホームページには確かに「近年は断熱塗料以外にも医療関係器具の輸入・販売を行って居ります。扱い製品としては、フェイスシールド&サージカルマスク(3M社製)やコロナウイルス対応消毒液等です」(ママ)とある。
しかし、調べたところK社は2020年3月期の売上高わずか1600万円、従業員3人の零細企業だ。ここでA氏はこの話に疑念が生じたという。 一方、R社はホームページによると、空気から水を作り出すオリジナルの装置を扱っていることになっている。大規模な装置では1日5000リットルもの水が作れるらしい。「災害時には、復旧が遅れがちの水道水の代わりに、水を確保することができます」とある。 確かに本当にそんな装置があれば災害時には重宝しそうだ(強力な除湿機のような仕組みかもしれない)。さらにホームページをスクロールすると、役員紹介の欄では写真が掲載されているが、なぜか代表のM氏だけがシルエットになっている。 A氏が知り合いのつてで調べたところ、M氏は00年に当時経営していたソフトウエア開発会社で2回不渡りを出し、事実上の倒産歴があることが分かった。さらにR社の登記を確認したところ、M氏は昨年9月にR社の社長に就いたばかり。設立2年余りにもかかわらず、R社の社長はM氏ですでに4人目だ。 しかも、登記からR社の設立の経緯も判明した。19年1月に新設分割により、分割会社である「シンボリックシティー」から不動産関連事業の承継を受けたとあるのだ。 シンボリックシティーといえば、社会問題化したスルガ銀行のシェアハウス向け不正融資で「かぼちゃの馬車」(スマートデイズ)と並んで舞台となったとされるいわくつきの会社である。 いつの間にか、シェアハウスから「空気から水を作る装置」、さらにマスク輸入へと業態転換していたらしい。R社の監査役は一時シンボリックシティーでも監査役を務めていた人物で、現在もつながりがありそうだ。A氏が出資の誘いを断ったのは言うまでもない。
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