東証2部上場の住宅設備メーカー「アサヒ衛陶」(大阪市)の業務提携に関する未公表情報を基に株取引をしたとして、大阪地検特捜部は26日、同社元社長の町元孝二(61)(大阪府泉佐野市)、同社元役員の上中康司(59)(京都市)の両容疑者を金融商品取引法違反(インサイダー取引)容疑で逮捕した。認否は明らかにしていない。
発表によると、2人は共謀。町元容疑者が社長だった2017年8月、アサヒ衛陶が家電量販大手「ヤマダ電機」との業務提携を公表する前に、上中容疑者が経営する会社名義で、アサヒ衛陶の株5万株を計581万円で買い付けた疑い。
上中容疑者は17年8~11月、自らの会社名義などで、アサヒ衛陶の株65万株を計8688万円で購入した疑いも持たれている。
業務提携は17年11月8日に公表。同社の株価は公表前の11月1日は1450円だったが、公表後、18年1月5日には3310円に上昇した。特捜部は多額の利益を得る目的だったとみて、経緯を調べている。
法人登記などによると、町元容疑者は20年、健康上の理由で社長を辞任。上中容疑者は11年に役員を退任し、12年と14年の衆院選京都2区に自民党から出馬し、いずれも落選した。
アサヒ衛陶は「誠に遺憾で、心よりおわび申し上げる。捜査に全面的に協力し、厳正に対処する」とコメントを出した。
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