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Friday, February 11, 2022

<新型コロナ>色鮮やか、癒やしのデザイン マスクケース25枚を1冊に 川口の「中島製本」が商品化 - 東京新聞

kuebacang.blogspot.com
「癒しのマスクケース・ブック」を製作・販売する中島製本の中島伊都子社長=いずれも川口市で

「癒しのマスクケース・ブック」を製作・販売する中島製本の中島伊都子社長=いずれも川口市で

 川口市の製本会社「中島製本」が、紙製マスクケース二十五枚を本のように一冊にまとめた「癒しのマスクケース・ブック」を製作した。デザインは地元の障害者施設のアート作品とコラボレーション。中島伊都子(いつこ)社長(48)は「コロナ禍で窮屈な時だが、マスクケースのデザインに癒やされてほしい」と話す。(飯田樹与)

 各ページがそのまま一枚のマスクケースになっていて、簡単に本からはがして使える。デザインはアトリエやギャラリーを併設した障害者施設「工房集」(同市)で活動する作家の作品をあしらった。飛行機や草花などが自由な発想で色鮮やかに描かれている。

商品化された「癒しのマスクケース・ブック」。文庫カバー(奥)としても使える

商品化された「癒しのマスクケース・ブック」。文庫カバー(奥)としても使える

 中島製本は長年、週刊少年ジャンプなど漫画雑誌を中心に製本を手掛けてきた。しかし、近年は出版不況で売り上げがピーク時の三分の一に下落。コロナ禍で旅行や食をテーマにしたムック本の出版見送りが重なり、さらに仕事が減ってしまった。

 「今のままではまずい。新しいことをやらなければ」。危機感を募らせた中島社長。社員たちと社の強みに考えを巡らせ、目を付けたのが雑誌の付録カードをのり付けして封入したり、商品サンプルを貼り付けたりする機械だった。同じ機械を持つ同業者はほとんどいないといい、オリジナルのマスクケース作りに活用することにした。

 さっそく学生時代に漫画部や美術部だった社員がデザインしたマスクケースを製作。昨年の正月に取引先に贈ったところ好評で、正式に商品化を決めた。「作家たちが生き生きと描いた作品にほれこんだ」(中島社長)と工房集にデザイン協力を依頼し、製本会社らしく「本」にして販売することにした。

 部分的に厚みが異なる本を正確に裁断し、一枚ずつマスクケースをはがせるようにするのは、一般になじみは薄いが高い技術が必要という。そんな同社の自信作は昨年秋に完成。同社ホームページで千六百五十円(税込み)で販売している。

 自社で商品を開発、販売するのは初めてだったが、中島社長は「社の強みを凝縮した物になった。物作りの楽しさを知った」と話し、さらなる独自商品の展開にも意欲をみせた。

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