【NQNニューヨーク=松本清一郎】11日の米ダウ工業株30種平均は反発して始まり、午前10時時点は前日比102ドル84セント高の3万5344ドル43セントで推移している。米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを急ぐとの見方から前日に526ドル安となったが、利上げ加速に慎重なFRB高官の発言が伝わり、買い直されている。米長期金利の上昇がひとまず一服している点も売り圧力の低下につながっている。
前日は予想以上のインフレ加速を受け、セントルイス連銀のブラード総裁が「7月1日までに1.00%の利上げを支持する」と述べ、株売りに拍車がかかった。3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で通常の2倍の0.5%の利上げも念頭に置いた発言とみられる。ただ、その後、「現時点で0.5%の利上げの必要性は感じない」(バーキン・リッチモンド連銀総裁)と金融引き締め加速に慎重な複数のFRB高官の発言が伝わり、市場の過度な懸念が和らいだ。
もっとも、高インフレへの警戒は続いている。長期金利は前日終値(2.03%)をやや下回っているものの2%を超えて推移している。過度な懸念は後退したが、株式相場の上値は重い。
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