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Friday, February 11, 2022

【検証】なぜターミナル駅の札幌駅は豪雪で完全麻痺?JR北海道は最善策を採ったのか? - Business Journal

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冬の札幌駅に発着するJR北海道の普通列車。札幌駅のホーム部分は除雪の手間が省けるよう、線路も含めて屋根で覆われている。しかし、ホーム前後の駅構内の線路には屋根は設けられなかったので、2022年2月の大雪では手作業で雪を取り除く必要に迫られた。2014年3月7日 筆者撮影

 北海道札幌市では2022年2月5日の15時ごろから降雪に見舞われ、翌6日までの24時間の降雪量は60cmと記録的な大雪に見舞われた。札幌市内の積雪が最大で133cmとなった2月6日、JR北海道は午前9時以降に札幌駅を発着となる列車661本の運転を終日にわたって見合わせる。大雪は2月6日の夕方になって小康状態となり、翌7日には晴れ間も見えたものの、線路の除雪に手間取り、結局7日も札幌駅を発着する728本の列車すべてが運休となった。

 札幌駅を発着する列車は2月8日も朝から1本も運転できない状態が続く。それでも除雪作業の結果、まずは函館線小樽駅方面の列車が19時ごろから運転を再開した。千歳線の除雪作業は遅れ、新千歳空港駅方面の列車は2月8日午前6時30分ごろに、同じく苫小牧駅方面の列車も午前8時30分ごろにそれぞれようやく動き出す。

 なお、札幌駅を発着する列車のうち、函館線岩見沢駅方面の列車は2月9日18時ごろに運転を再開した。残る札沼線(学園都市線)方面もあいの里公園駅までは2月10日18時30分ごろ、あいの里公園駅と北海道医療大学駅との間は2月11日の夕刻以降、特急列車は一部が2月11日にそれぞれ動き出している。

 札幌市内がこれほどまでの大雪に見舞われたのは、今から25年前の1996(平成8)年1月以来のことだ。特に1月9日にはJR北海道全線で合わせて536本の列車が運休となり、同社が1987(昭和62)年4月1日に発足後、雪の影響で最も多くの本数の列車が運転できなかった一日となってしまった。今回の大雪は四半世紀前をさらに上回る本数の列車の運転不能もたらし、JR北海道への風当たりは大変強い。ほぼ丸2日間札幌駅から1本の列車も発着しなかった例は過去にないと言われている。

 今回の事態を踏まえ、「国鉄時代はどんなに大雪になっても列車は運転されていた」と鉄道に詳しい人まで発言しているが、そうでもない。1963(昭和38)年1月に福井、石川、富山、新潟の各県を襲った大雪によって北陸本線や上越線、信越本線を中心とする各線では1月23日から列車が長期にわたって全面的に運休となった。どうにか全線で列車が動かせるようになったのは13日後の2月5日、長距離を結ぶ特急列車を運転できるようになったのは26日後の2月18日と、鉄道の機能を完全に回復するまで1カ月近くを要している。この大雪で運休となった列車の本数は合わせて約1万9500本で、除雪作業に動員された作業者の人数は、国鉄職員はもちろん、自衛隊員、地元の消防団員など延べ66万人と空前の人数だ。現地では除雪車が足りなくなり、ロータリー式といって前方からかき集めた雪を羽根車で投げて除雪する雪かき車が北海道から送られたほどであった。

「サンパチ豪雪」との共通点

 俗に「サンパチ豪雪」と呼ばれる1963年1月から2月にかけての大雪では、新潟県長岡市にある今のJR東日本信越線の塚山駅で495cmの最大積雪を観測している。実はサンパチ豪雪がここまで列車の運転を止めたのは、単に積雪が多かったからだけではない。次に挙げる2点が大きな影響を及ぼした。

 一つは里雪型といって市街地に降雪が多かった点である。この結果、人力での作業が避けられない駅構内での除雪が増えた。駅構内での除雪作業がなぜ機械化できないかは後ほど説明しよう。さらには、線路から取り除いた雪を空き地に捨てようにも、線路際まで人家が密集していた結果郊外まで捨てに行く作業に忙殺されていたからだ。

 そして、もう一つは雪が止んだ後にこの地域では異例ともいえる寒波が襲い、日中の最高気温が多くの日で氷点下となった点も挙げておかなくてはならない。湿気を多く含んだ雪が凍り、その上に再び雪が積もった結果、除雪作業の困難さは著しく増した。サンパチ豪雪に襲われた地域では、雪に慣れているはずの人たちでさえ普段とは異なる雪の積もり方に、除雪車の取り扱いを誤って脱線させることさえあったという。

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