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外国為替市場のドル・円相場は、日本銀行が今週開く金融政策決定会合の後も円安基調が続くとみられている。金融政策は据え置き予想が大勢で、仮に微修正があっても円安の流れを変えるのは困難との声が市場関係者から聞かれる。
ブルームバーグ調査によると、エコノミストの9割が28日の決定会合で現状維持を予測。政策金利のフォワードガイダンス(指針)を引き締め方向に修正するとの予想は1割にとどまった。
大和証券の岩下真理チーフマーケットエコノミストは、日米金利差と日本の貿易赤字を材料にするドル高円安は「米国要因が落ち着くまで簡単には終わらないだろう」と指摘。米国がインフレ抑制に向けて連続利上げとバランスシート縮小で対応していくことを考えると、「日銀が小手先の政策修正でやったふりをした所でその差は縮まらない」と言う。
黒田東彦総裁は18日の 国会答弁で、経済への影響は「非常に大きな円安とか、急速な円安の場合はマイナスが大きくなる」と述べる一方で、円安が全体としてプラスという評価は変えたわけではないと語った。みずほ証券の山本雅文チーフ為替ストラテジストは「記者会見で円安は全体として日本経済にプラスという認識が維持されれば、円売り安心感が再燃するだろう」とみる。
シティグループ証券の村嶋帰一チーフエコノミストは「日銀が今会合で円安対応のための政策変更を緊急避難的に実施する可能性は低い」と指摘。予想通り政策が据え置かれれば「一段の円安ドル高が進行する可能性が高い」と指摘する。
鈴木俊一財務相はイエレン米財務長官との21日の 会談後、「直近の円安が急激であることを数字で示した」と述べた。みずほ証の山本氏は「当局からの円安懸念発言が続いているが、目先の実弾介入につながるものではない」と指摘。主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議やG20でも円安懸念は共有されなかったため、ドル・円相場は「米金利上昇とともに再び上昇しやすくなっている」と語る。
ドル・円相場は20日に一時1ドル=129円40銭と、20年ぶりの円安水準を更新した。SMBC日興証券の森田長太郎チーフ金利ストラテジストは「予想された通りG20で円安についての特別な文言はなく、ドル・円は再び129円から130円を試してゆく可能性がある」とみている。
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