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Saturday, May 28, 2022

どうする「マスク着用」 見直しの動き拡大も…気になる「感染拡大」「世間の目」 - 神戸新聞NEXT

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 新型コロナウイルスの感染防止策として、すっかり当たり前になったマスク着用を見直す動きが始まった。政府は屋外で会話がなければ不要とする考えを示し、兵庫県も30日の対策会議で議論し、改めて基準を示す。政府の方針に一定の理解が広がるものの、長引いたマスク生活で周囲の目が気になり、「外しにくい」と慎重な声も上がる。(井川朋宏)

 政府は、屋外で人と2メートル以上離れていたり、ほとんど会話をしなかったりする場合、マスクをする必要はなく、未就学児には一律に着用を求めないとする見解を明らかにした。兵庫県の斎藤元彦知事は26日の会見で「暑さが厳しくなり、マスクを着けていると熱中症などになりかねない。外していいときは外しましょうという方向性が大事」と述べた。県民に呼び掛ける内容を検討するという。

 共同通信が21、22日に行った世論調査では、着用基準の緩和に関して「適切だ」としたのは半数を超える53・9%、「もっと緩和するべきだ」は15・2%。これに対し「緩和するべきではない」は29・9%だった。

 県内でも、マスク着用の緩和への判断は分かれる。今年2月、勤務先の介護施設でクラスター(感染者集団)が発生し、自身も感染した神戸市垂水区の女性(71)は「発熱や息苦しさ、関節痛があり、仕事を1カ月休んだ。しんどかっただけに、外出時はマスクを外せない。着けていることに安心感もある」と語る。

 一方、2歳と小学生の2児の父で、家庭内感染を経験した明石市の男性会社員(36)は「重い症状ではなかったので、特に子どもがマスクを着けないリスクを感じない。むしろ熱中症の方が心配」とし、緩和の方向性に理解を示す。ただ「屋外でも外す人はまだ少数派。しばらくは様子を見たい」と話した。

 昨夏以降は若者の感染が目立ち、運動以外でのマスク着用を緩めない部活動もある。部員らが寮生活を送る神戸学院大学女子駅伝競走部では、一定の負荷がかかる練習を除いて、生活の際はしっかりとマスクを着けるよう改めて確認した。

 大江秀和監督(60)は「コロナ前から冬場はインフルエンザ対策で着けており、違和感はない。感染者が出れば走れなくなるので、コロナの終息宣言が出るまで対策は続ける」と言う。

 マスクを外していい場面として挙げられた現場でも、どう呼び掛けるか頭を悩ませている。その一つが、人同士の距離をとった読書は、着用の必要がないとされた図書館。神戸市立図書館は現在、使える座席を半分以下とした上で、館内で「マスクを正しく着用してください」と明記している。

 同市中央図書館利用サービス課の担当者は「会話せず、1人でいる利用者に対してはマスク着用を求める注意をせず、緩めていくのではないか」とした。

■「外す」には着用を「禁止」しなければ…

 新型コロナウイルス禍が2年以上続く中、政府が示したマスク着用緩和の基準。感染症に詳しい関西福祉大学(兵庫県赤穂市)の勝田吉彰教授は「見解の相違がない、安全運転の内容。分かりきっていても、方針を明らかにした意義はあった」と述べ、「着用を個々に判断する第一歩」とみる。

 勝田教授は、マスク着用を欧米は義務付けた一方、日本は呼び掛けだけで浸透させた点に着目。「元からマスクに慣れ親しんでいる。極端に言えば、皆が外すには着用を禁止しなければならないだろう」と話す。

 今後は「環境と個人の要因を掛け合わせ、各自で考えてほしい」と訴える。環境要因としては、病床使用率を含む感染状況のほか、病院や高齢者施設といった場所を挙げる。また個人の要因では「高齢者や基礎疾患のある人、喫煙者のほか、健康診断で注意を受けた人も配慮が必要」と指摘した。

 一方、学校の体育の授業などは、夏の熱中症対策としてマスクを外すよう推奨される。勝田教授は「コロナは薬など回復の手段が増えたが、熱中症は処置が遅れれば命の危険にさらされる」とし、マスクの熱中症リスクに警鐘を鳴らした。

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