Pages

Friday, July 22, 2022

「マスクは長期間着用しても衛生面に問題はないのか?」について近畿大学が調査 - GIGAZINE(ギガジン)

kuebacang.blogspot.com
メモ


新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が世界中に広がる中、感染拡大を抑えるために各国でマスクの着用が推奨されています。このマスクに関して「マスクの有効性は広く研究されているものの、マスクに付着した細菌や真菌による潜在的な衛生問題についての報告はほとんどない」という点に着目した近畿大学の朴雅美氏らが、マスクに付着した細菌や真菌を定量化する研究を行いました。

Bacterial and fungal isolation from face masks under the COVID-19 pandemic | Scientific Reports
https://doi.org/10.1038/s41598-022-15409-x

朴氏らは109人の参加者を対象にアンケートを実施し、マスクの種類と使用期間に関する情報を収集。不織布マスクやガーゼマスクなどさまざまな種類のマスクが流通している中、参加者はどの種類のマスクを着用していたのか、同じマスクをどれくらいの時間使い続けていたのかといった質問や、うがいの習慣があったかどうか、納豆を食べる習慣があったかどうかなどの生活習慣に関する質問も実施しました。

マスクの種類については不織布製マスクが78%(85人)ともっとも多く、ポリウレタン・ガーゼ・布製など不織布製以外のマスクに比べて有意に高かったとのこと。使用期間については不織布製マスク使用者の75%が1日で使い捨てていた一方で、他のマスク使用者では58%が2日以上同じマスクを着用していることが分かりました。このことについては、ポリウレタン製などのマスクは洗って繰り返し使用できるように設計されているため、使用者がマスクを何度も洗って再利用していたのではと考えられるとのこと。なお、マスクの種類や使用期間に性別による有意差は見られませんでした。


さらに朴氏らは参加者の着用済みマスク約200枚を回収し、外側と内側を別々に細菌または真菌培養用の寒天プレートに押し付けて菌を培養。マスクのそれぞれの面に付着した微生物の同定を試みました。

マスクに付着していた微生物については細菌・真菌ともに確認され、真菌の方が数が少ないことが分かったとのこと。また、マスクの内側(顔側)についている細菌の平均コロニー数は外側よりも13.4倍数が多かったものの、ほとんどが非病原性の常在菌だったとのことです。一方でマスクの外側からは食中毒の原因となるセレウス菌などが確認されました。また、使用期間に関係なく、マスクの種類間でコロニー数に優位差は見られませんでした。

真菌については対照的にマスクの外側の方がコロニー数が多く、内側の2.4倍だったとのこと。不織布とそれ以外のマスクで真菌のコロニー数に有意な差はなかったものの、2日以上使用されたマスクではコロニー数が増加していたことも分かっています。


細菌・真菌は着用中の湿気により成長することができますが、マスクを外すと一晩で乾燥してしまい、細菌の方は死滅してしまう可能性があるとのこと。一方で真菌は乾燥しにくいため、マスクが乾いた状態でも生き残ることができます。このことが、2日以上使用されたマスクで真菌だけが増加する傾向にあった理由と考えられるそうです。

参加者のライフスタイルと関連付けた調査では、電車や徒歩といった通勤・通学の手段や、うがいの習慣の有無によるコロニー数に違いは見られなかったことが分かったとのこと。また、常日頃から納豆を食べる人のマスクからは納豆を発酵させる枯草菌が見つかる確率が高かったとも報告されました。

マスクからは人体にとって有害な菌も検出されたことから、微生物感染を防ぐために免疫不全の人は同じマスクを繰り返し使用しないよう、朴氏らは提案しています。

この記事のタイトルとURLをコピーする

Adblock test (Why?)


からの記事と詳細 ( 「マスクは長期間着用しても衛生面に問題はないのか?」について近畿大学が調査 - GIGAZINE(ギガジン) )
https://ift.tt/lZcFUoE

No comments:

Post a Comment